551の豚饅が食いたい話

「あーあ。好きな時に好きなモンが食える玄人てのはいい稼業だなあ(山ほどの豚饅を抱えながら)さーて食う…」
じー
「何だよ。てかまた来たのかよ、ガキ!!」
じー(豚饅食いたい)
「嫌、これは俺の!!」
じー(食いたい)

暫く常人離れした少年と、常人離れした中年の激しい肉まん争奪戦が行なわれた

じー(すごい反射神経)
「ちっ…餓鬼の癖にしつけーなー」

ユウたん登場
「何の騒ぎだ?」
「あユウたん。このガキが俺の豚饅食おうとするんだ」
じー(この不精髭が豚饅くれない)
「…やれよ一つくらい」
「ぜってえいや!!こんな萌えないガキになんて豚饅の箱すらやんねえよ」
「分かった分かった…なら俺に一つくれよ」
「おうユウたんならいいぜ。そん代わり食ったらしっぽりな」
「ああ…じゃあこの豚饅は俺んな」
「おう」
じー(いいなあ)
「坊主、じゃこれは俺からやるよ」

あむ(ぱく…もくもく…うまい)

「…何だよそれぇ!!」
「いいだろ、これは俺からやったんだから」
「俺はユウたんにやりたかったの!!このガキじゃねえのっ!!」
豚饅一つでブーブー文句かますヤンチャ中年。今更つっこむ気にもなれないユウだったが。

「健、いつまですねてるんだよ」
「だってよ。俺は大好きな♪ユウたんに豚まんやったのにさ…んなガキにあげちまってさ…ちぇ」
「仕方ない奴だな、ほら餃子こさえてやるから…坊主と一緒に食べにこいよ」
「うっわーい♪」
(食いものくれる奴いい人)
ってわけで中華三昧な夕食になるはずだったが…

ユウのヤサ。
「あ、餃子の皮がたんねえ…店閉まってるしな」
「天界の冷蔵庫にねえかな。木座にもってこさせるー♪」
「気の毒な事させんなよ…」
「んじゃ俺らが行くか♪こないだ(ダダこねまくって)買っ(てもらっ)たガチョウやら、何やらいっぱいあるぜ♪」
「…(上野グループの資金て正にこいつが食い潰してるんじゃ…)」

天界の冷蔵庫?からあらいざらい食材を持ち運ぶ二匹。翌日忌田氏は冷蔵庫の前で愕然とする事になるがそれは後日談。
じー(がちょう食いたい)
「それは俺が食うの!!ガキはごぼうの根でもかじってろ」
かじかじ(繊維がいっぱい)

でヤサでユウたんは豊富な食材で満漢全席を拵え上げた
「…俺、玄人やめて調理師になろうかな」
自分で自分の腕前が恐いユウたんを尻目に二匹は
「わーい♪」
じー(わーい)
腹一杯貪った…で

「ふー…うまかった」
じー(ごちそうさま)
「おう御粗末さま…ってオイ!!どこ触って…馬鹿子供の前…」
「ヘヘ、お礼に満漢全席プレイといくぜ♪」
「やめろ健!ちょ…」
じー(暑苦しい…)
「飯の後ってヤりたくなんだよなあ♪」
「み…見てるから子供が…!」

そん時。
「ユウさん!」
「哲?!」
「いやっほーい♪」
「ユウさんがこっち来るのみかけたから…来てみたら…ひどいよ健にはそんな大サービスして!!ユウさんにとってはオレなんてセロテープにも劣るのかい?!」
「セロテープ…いやそんな訳じゃなくものの弾みってゆーか…」
「しかもオレには飯も作ってくんないんだ…オレなんて定食屋で一人寂しく焼き魚定食だったのに!!」
「すまん哲…えっと食材は…」
「食っちまった」
じー(た)
「哲…」
「ユウたん悪いんだーあーあ♪」
「半分てめえのせいじゃんか!あ、坊主お前はぜんっぜん悪くないぞ?…ちょっと行ってくる」
「どこ行くんだ?店全部閉まってるぜ?」
「健お前も行くんだ。名付けて…」
「?」
「隣の晩ご飯!…の残りものお裾そわけしてね企画だ!!(泣)」
「わー卑屈う♪」
「誰のせいだっ!!」

という訳で文字通り乞食と化した二人だったが…こんな怪しい兄さん方にご飯をお裾分けしてくれる人がいる訳なかった。そもそも玄人は自炊なんかしないのだ

「はあ…哲になんて言おう」
「おいガキ、お前なんか食いモン持って来い」
「こら健、無茶…」
こく、少年は頷くと時空の渦に消えた

「!?い…いまなんか空間に穴があかなかったか!?」
再び少年は空間から現れ出た。
そしてその手には…
「おほ♪猪だあ♪それに孔雀か〜」
「口に何入れて…うわあ!ね、熱帯魚?!なして?!坊主これどこから…」 (ブラコンの庭の動物園)
「え?」
「まあいーじゃん!食おうぜ♪」

「しかし…こんなデカいモンどうやって捌くんだ?第一猪ならともかく孔雀や熱帯魚なんて料理した事…」
「ユウたん本ならあるぜ♪」
健が差し出した本には

世界のげてもの

とあった

「げてもの…って」
「龍龍にもらった奴だ♪」
「…出来る…んだろうか?」
「ユウたんのゲテモノ料理〜♪」
(またお腹すいてきた)
「ええい!ままよ!(泣)」
ってわけでとりあえず羽毛やら毛やらを剥きだすユウたん。

「…俺、夜中に何やってんだろ(泣)」
ユウたんの神の腕により、料理書通りな料理は出来上がった

「…自分で作っといてなんだが…これは可食物なのか?」
「わーい♪このやたら色鮮やかな熱帯魚の刺身とかうまそー(あむ)うまーい♪」
じー(紫苑も食う)
「や…やめなさい!!子供が食うもんじゃ…」
あむ…もくもく(うまい)
「…なんだ?俺は夢を見てるのか…なんでこいつらはこんな代物を旨そうに」

がたん

「ユウさん、どこ消えたかと思ったら」
「いや哲」
「オレにも手料理を作ってくれたんだね(天使の笑み)さっそく頂くよ」
「いや待て哲ぅ!!」
料理を口に運ぶ雀聖。

「哲!だ、だいじょ…」
「美味いよユウさん…やっぱりオレの女房にはユウさんしか」
「おお♪じゃ俺不倫相手♪萌えるな、おい♪」
(あむあむあむ)
「もう…自分の道が見えない…(泣)」

そしてこちらは小龍
「(ごそごそ)くそオレ本どこやったかな。折角お前に手料理をつくってやろうとしたのに」
「聞きたくないがなんて本だ?」
「世界のげてもの、だ」
「小龍…俺は拷問も生理的不快さも確かに感じるが、味覚拷問だきゃあ感じねえからやめてくれマジで」
「(聞いてない)畜生健健だな!!あの野郎勝手に持って行きやがって」

ゴットハンドユウさんのゲテモノ手料理を平らげ、満足気な面々。
「あーうまかった♪」
「早く嫁に来てくれよなユウさん」
「…お前ら、体大丈夫なのか?(泣)」
(全然平気)
「坊主なかなかいいもん持ってきやがったな♪これだきゃ誉めてやんぜ♪」
(私有地からだけど)
「さあユウさん…次に食わしてくれんのは…」
「え?」
「ユウたん本人だよな♪」
「へ…へぎゃあ!(泣)」
「じゃあオレも是非食う」

じー(紫苑はいいや)
「待てお前ら。純真な子供の前でそんな…」
「平気♪俺、ガキの前でも出来まくるから」
「そーゆー問題か!!」
「…オレ…さすがにそれは未体験だけど頑張るよ!!」
「頑張るなぁっ!!てか坊主、なんとかしてくれよ」
じー、
少年はしばらくして頷いた。そして少年はユウを連れて突然消えた。

「ユウさん?」
「ちぇ、あの坊主瞬間移動かなんかか?」

ちなみにユウと少年は…
「坊主、何か見慣れた場所みてえな気がするが…ここどこだ?」
(花…巻?)
「ぎゃあ!!俺の田舎じゃんかよ!」
(いーはとーぶ)
ちょっと夢見心地に念話する少年だった。

驚くユウさんに
じー(ここなら安全)
語る少年
「…確かに有り得ない事にゃ慣れっこになってるが…」
瞬間移動はないだろ、ユウさんは思った…


「…雄次!?」
「母ちゃん!!」
「うわああ」
悲鳴?をあげて逃げようとしたユウだったが、母は強かった。
首ねっこを掴みユウを捕獲すると
「お前今まで何しとった?!博打にはまった上に身売りしてるんじゃなかんべ?!」
「そんな事してねえよ母ちゃん!!」
「全く、帰ってくるなら手紙の一つもよこせばよかんべ…あ?この子は…」
「ああ…知り合いの子なんだ。この子を送りに来たんで連絡してる暇が…」
「まあいいだよ。ほれ家さ寄れ。姉ちゃんも里帰りしとるだよ」
「ええっ!?姉ちゃんまでいるんか?」
そしてユウさんは引きずられていった

でヤサ
「ユウさんが…消えた」
「畜生あのガキ、俺のユウたんを!!」
「ユウさんはオレんだ!!」
二人は不毛な喧嘩をしていた

「ちぇ…俺のユウたんレーダーじゃユウたんかなり遠くにいんな…」
「オレのアンテナでも一晩じゃいけねえ距離だ、くそ…」
「つまんねえ〜、ブー」
「仕方ねえ。今日はプレイの仕込みでもして…」
「哲、お前なかなか黒くなってきたじゃねえかよ?」
「愛ゆえだ!」

東京では二匹のケダモノに想像でいいようにされているとは露知らず、ユウたんは随分長い事ぶりに帰った実家で小さくなっていた
「なんだべ、またでっかくなってよ(ばしい)」
「姉ちゃん痛い」
「ったくこいつァ!!大人しく田舎で百姓手伝えばええだに」
「すんません」
「もう嫁コはおるだか?」
「いえ全然…てか俺玄人だから…」
「こら雄次!!博打なんぞで喰っとるなんて、死んだ父ちゃんに申し訳ねえだ!!このままここいろ!!」
「そうだべ…確か西村のはなちゃんも嫁さ行く時期だしよ、あのコ貰って…」
「三軒どなりのみいちゃんでもええだな」
(哲…てか健でもいいから俺さ助けて)
もくもく(飯うまい)

翌日早朝。
家族に気付かれないようこっそり家を出て、ユウは駅に向かった。

「はあ…もう実家はこりごりだ」
やがて少年と駅に到着したが

「ゆっうた〜ん♪」
「う…この声…」
「ユウさん!オレ、来たよ」
「健に哲…どひいい!!」
「なんだよそんな喜ばなくてもいーじゃあん♪」
「喜んでねえ!!なんで俺の自宅の最寄駅知ってんだよ!!」
「勘」
二人の凄腕の玄人の勘はこれほどまでか…ユウは泣きたかった

「じゃ再会のちゅーな(むちゅう)」
「やめっ…こんな人前でっ!!」
「オレもっ!!(むちゅうっ)」
「こら…最寄駅なんだ知り合いがいるかも…」

「雄次!?」
「ね…ねえちゃんっ!!!?」
「ん…ユウたんのねーちゃん?俺、健♪ユウたんのすてでーさ♪」
「オレは哲、ユウさんの…」
「雄次…おめ…こんな無精髭のエロくさい中年と…んなめんこい年下の坊やと…なんつーことだべ!おめえ畜生に成り下がったかよ!」
「いや、あのねーちゃん!」
「ああ。俺たちは玄人。汚い世界で生きてんだ!人間の屑だ!!」
「て、哲う!(泣)」
「コアなプレイで毎日やりたくってるもんなー♪ユウたん」
「健このダホウ!!(泣)」
「雄次…お前…はあ(バタリ)」
「ねえちゃん?!意識ねえ!(泣)」
「しかしユウたんの姉ちゃんだけあっていい女だな♪」
「オレよりデカいけど」
「ね…姉ちゃんに手ェ出したら許さねえだ」
「ユウさん方言が…」
「しかしどうすんだこの姉さん。ほっとくのか」
「え…」

ユウたんは小さい時から顔馴染みの駅員さんに、とりあえず姉さんを預けた。

「ユウたんのうちいってお袋さんに挨拶するー♪」
「オレもユウさんの婚約者として…」
「頼むからやめろ!!(泣)もう東京帰るぞ!!」

帰りの電車。
美味しそうに駅弁をたいらげるしおん少年の横で、ユウはひたすら呟いた

「俺…もう花巻さ帰れねえ(泣)」
「玄人が帰るトコ持っちゃ駄目だよな」
「そうそう、一生博打の旅カラスになれって事だよ」
慰めてるつもりな二人

帰るべき場所=逃げ場所を失ったユウは、もはや二匹の獣たちにいいようにもてあそばれるしかない自分の運命を思いぞっとした。

(それも刺激的だとおもう)
少年に念話で話され、更に鬱になるユウだった。


「時空を超える少年」の続編?てか、例のしおん少年再登場話。少年は瞬間移動も出来ます…このサイトでは珍しくないですが
ユウたん花巻里帰り編。田舎は人間関係が煮詰まっているので、こんな光景を見られてしまったユウさんは本気で田舎に帰れなさそうです…気の毒に。
ところで花巻という事は、多分ユウさんも早智子ちゃんもズーズー弁だと思いますが…さっちゃん、あんまなまってなかったよね?やはり、女優になりたいから東京弁練習してから上京してきたんでしょうか