自己批判

「なあ忌田」
「ん?」
「最近俺さ」
「うん」
「禁欲しすぎだよな」

少し沈黙して、健の顔をじっと見てから、忌田は言った。
「健、ちょっと付いてこい」
「?」

とりあえず忌田についてくバカチン帝王

「見ろ」
「あれ死神くんじゃん」 「そうだ」
春の暖かな光を受けながら、死神は公園のベンチに腰かけていた。
「ああ、いい天気…う!ゴフゴフゴフー!!」
白昼ほとばしる鮮血。

「鳥のさえずりも聞える…のどかだなあ…ゲフ、ゲフゲフォー!!ひひ、今日は体調いいぜ…」

「見たか健」
「…ん?ああ」
「あいつにとっちゃあ、あれが健康なんだ。傍目には今にも死にそうにみえるがな」
「うん、こときれそーだな」
「だからお前も自分が…他の奴の目にどう映ってるのかよく考えるんだぞ」
「…」
「いいか?自分を見つめるにはまず自分を客観視する事から始まる…」

「(客観視してみた)ああ(ガソリンをかぶる)」
「な…何マッチ手に持ってんだ!?」
「客観視してみて分かった。俺みてえな屑は、さっさと髪一本残さずおっ死んだ方がいいってな」
「えええ!?」
「じゃあな忌田」
「やめてー!!!!俺が悪かったから!!頼むからやめ…!(泣)」

「(ニヤリ)」
「え?健」
「よーするに俺の禁欲は“客観的”にみれば、禁欲どころか節操ないことこの上ねえんだろ?」
「お前…分かってて灯油…」
「そんなに心配しちゃって、可愛い奴め♪」
「…生きてんのかもわかんねえが、お袋…先立つ不幸を許してくれ。俺はもう疲れたよ(続いて灯油ひっかぶる)あばよ健。あんま人様に迷惑かけんな…」
「忌田ー?!」

さすがの帝王も、大慌てで忌田さんを引き止めたことは言うまでもない


帝王が
「俺って禁欲しすぎ」
と思った理由。
先生としっぽりしてたら、ご主人と金男が来たんで腹が膨れず、ユウたんとこ行ったら早智子ちんのオーディションの結果待ちでイライラしてて構ってもらえず、哲んとこ行ったらユウたんと泊まる旅館を探しにプチ旅打ち?中だった。 …要するにただの欲求不満