帝王の風邪ひき努力
ある日忌田が健の部屋に入ると、健はきったない部屋の真ん中ですっ裸で寝ていた。
窓はあけっぱなし
「こら、せめて窓は閉めて寝ろ!!風邪ひくだろ?」
「嫌。だって俺風邪ひきてえ」
「は?」
「風邪ひいて布団で頭に氷嚢のっけて寝て、お粥ふーふーして貰って食いてえ」
忌田は、この子はどこでそんな事覚えてくるんだか、と思った
「泥棒が入ったらどうすんだ」
「ここにか?ンな命知らずいるかよ」
「確かにノガミの帝王の本拠地だしな…いいから閉めなさい」
「ちぇ…いいもん。別の方法で風邪ひくから」
賭場。一勝負終えた様子の哲にさっそく絡む健
「なあ哲?風邪ひいた事あるか」
「たりめーだろ」
「俺はねえんだ」
「馬鹿だからだろ」
「(気にせずに)いいなー風邪いーなー」
「別によかねえよ…でも、こないだ風邪ひいてユウさんに夜っぴいて看病して貰った時はよかったな」
「何!?いーなー!!どうやってひいたんだ?」
「あん時ァ賭場で風邪がはやってたからな。やっぱ人にうつされたら…」
「よし、風邪ひきを探すぜ!!(去る)」
ノガミ歓楽街
「お?センセ。ナンパか」
「まあな。だが今日は一人も引っ掛からねえ…やっぱクラブにいきゃよかったな…くしゅっ」
「(目を輝かせて)風邪だぁ!!」
「畜生…もう花粉がとんでやがるのかよ…(無理矢理キスされる)んっ!?」
「わーい風邪うつしてうつして♪」
「は?俺のはただの花粉症…」
「やっぱ密室のがうつりやすいんだよな♪連れ込み宿入ろーぜ?俺がおごるからさ」
「ちょ…」
ずるずるずるぅ…
事後
「風邪…ひいてねえな…あんだけセンセの口吸ったり揉んだり触ったりしまくったのに」
「(必死で息を整えながら)てめえ…これじゃ明日の会議、座ってらんねえじゃねえか」
「いいじゃん」
「良くねえっ!!…ところでお前、さっきからなんで風邪に拘ってんだ?」
「俺いっぺん風邪ひいて看病されてみてえんだ♪」
「…」
近藤は複雑な表情になったが
「ズブ濡れのまま暫くいれば風邪ひくぜ(普通の人間ならな)」
「マジ!?やるやるぅ♪」
健はまたまた外に飛び出した
躊躇なく川に飛び込む馬鹿帝王。
暫くザブザブ楽しく遊ぶと、下着までズブ濡れになった模様
「これで俺も風邪ひきだ」
川原に座ってo(^-^)oしながら待っていると
「健?」
「ユウたん」
「どうしたんだズブ濡れでっ!!また酔っ払ってんだろ…いいから俺のヤサ来い。そのままだと風邪ひくぞ」
「だから俺風邪ひきた…」
ユウは問答無用でヤサに引きずっていくと、健の服を脱がせて乾かしてくれた…まあ服を脱がされた帝王が勿論何もしなかった訳はないが
「ユウたんあったけぇ♪」
「…体冷えちゃいねえみたいだな。てか体熱高いから平気か。も少ししたら飯つくってやるから、食い終る頃にゃ乾くだろ」
「あーあ、また風邪ひけなかった」
「は!?」
健が顛末を話すとユウは言った
「アホウ」
「何だよそれー!!…そりゃユウたんはいいさ。帰るトコがあるもんな。俺なんて…」
健は切札の
俺って孤児だから
ネタをチラつかせた。
予想通り優しくなるユウ
「分かった。じゃあそこ寝てろ。看病してやるから」
かくして看病プレイ開始。
盥に水を入れて、冷水で冷やしたタオルを帝王の頭にのせる
「熱…さがらねえな…平熱高いだけか?」
「ユウたんお粥ー」
「少し待て。ほら、あーん」
ちゃんとふーふーしてくれる、異様に優しいユウ
「あーん…」
楽しむ健だが、エプロン姿のユウにムラムラ来た
「ユウたーん(のしかかり)」
「こら!!病人だろお前!!」
「だってヤりてえ」
「今さっきやったろ!!??」
それでも駄々こねた結果、健は叩きだされた
「ちぇ…ユウたんのけちー」
でもお粥はしっかり土鍋ごとゲットして、貪り食う健康児帝王だった
こうなったら最後の手段。
健は信の店へ赴き
「風邪ひかせてくれよ」
と相談?した。
信は言った
「風邪治すのに医者行って金払う奴もいれば、風邪引きたくて金払う馬鹿もいるんだな」
「何でもいーから風邪ェ」
「おうよ。金払うなら何だってするぜ」
で
天界
「忌田…なんかフラフラして頭痛ェ…」
「は?…どうした顔赤いぞ(おでこに手を当てる)どうした!?熱があるぞ」
「わーい風邪だあ(力なく)」
「馬鹿、いいから早く寝ろ。お粥つくってやるから」
期待通りになった健だったが
「…でもあんま楽しくねえな」
「たりめーだ、馬鹿な事しやがって」
「しかし信の奴やるなあ…ホント風邪ひけたよ」
「確かにそれは思う。一体どうやったんだか」
「それがさ、信の奴『てつがくてきけいざいろんとそのじっせん』とかゆー数字と小せー字のぎっしり詰まった本見せて朗読しやがったんだ。そしたらなんか頭がカーッとして痛くなってよ…風邪って本読んだらなるんだな」
「いやそれは…」
知恵熱って奴じゃ…言い掛けて忌田は口を閉ざした
ともかく、ちゃんと風邪をひいた?事に健は大満足だった、というお話
バカ帝王話。書いた当初は、あまりに原作とかけ離れたバカさにげんなりきてましたが、気付いたら最近(大分前から)うちの健は、健わんこだから別にいいような気がして掲載
しかし原作の健も…風邪はひかなさそうですよね?