諸行無常

ユウたんのヤサ。
またいつものよーに、ユウたんの手料理を食わせてもらってる健様。
だが。

「…健、どうした?やけに静かだな?」
「…ユウたん…」
「な、何だ?」
「しょぎょーむじょーって、こういう事をゆーのかなあ?」
「は、はいー??!!どうした健!?どこでそんなむつかしー言葉覚えて」
「なんかさ。贔屓にしてたバーの女が痴情のもつれで刺されたらしくてよ、こないだ半分腐った状態で見つかってよ」
「そりゃ…」
「いい女だったのに、さすがの俺でも萎えちまう状態になっててよ。人ってはかないよな…」
「玄人なんてそんなモンじゃねえか。明日俺が博打に負けてアタマすっ飛ばしてるかもしんねぇし、勝って逆恨みで刺されてるかもしんねえし…」
「(めくりっ)こんないー体が明日は死体になってんのかもしんねーのか。勿体ねえ」
「ちょ…こんな話しながら…なに…」
「なら今のうちにやりまくろーぜ!?」
「またそれかよ!!」
「じゃユウたんが死体になってからやってもいーのかよ?」
「いー訳ねえだろ!!だけどよ、健…」
「ん?」
「もしもだぜ、俺が事故か何かで…その女と大差ねえくらいむごいみてくれに成り果てちまっても…愛してくれんのかお前は?」
「ユウたん…」
「それでなくても、いつ飽きられるか…考えるだけで怖えんだよ…健」
「ずっと愛してるって何度も言ってるじゃねえか」
「…玄人なんて嘘つくのが商売だろ?信じられるかよ」
「どうしたら信じてくれるんだ?」
「…なァ、たまには体抜きで抱いてくれよ」
「?」
「…抱き締めて…キスして…そのままでいて」
「ユウたん…」

なんて、二人がいちゃいちゃしていると

「兄ちゃん…」

いつの間に入ってきたのやら、無表情な早智子が立っていた

ユウさんは赤面して健を突き飛ばし
「ち…違うんだ早智子!!これは…」
「いいの(無機質な声で)」
「違…」
「わーい!!乙女なユウたん食う!!(がしいっ)脳みそンなったって離さねーかんな!!」
「離せ!!てかどっか行け!!」
「捨てないでってゆった癖にぃ!!」
「さっちゃん、よっく見とけよ♪俺とユウたんの愛のカタチ♪」
「にいちゃんを宜しく(無機質な声で)」
「さ、早智子ー!!(泣)」
「あ、じゃあ俺のことも兄貴って呼んでいーぜえ」
「にいちゃんのええ人やからね…」
「うわあああ!(泣泣)」

で結局いつものように、飯と自分を食い散らかされたユウたんは

「別れてえよう(泣)」
「別れたくないって言った癖に」
「堅気に戻りてえよう(泣)」
「明日死ぬかもしんないのが、俺みたいな玄人だって言った癖に」
やっぱりどっちつかずなユウたんでした。

そしてこの
「諸行無常」
プレイに味をしめた健様は他のハレムメンバーにも試し、食いあさったんだって。
難儀なお子です…。


ホント、玄人て諸行無常な生き方だと思います。そりゃあ、遊び人も賢者に転職出来るってなモンよ…って、そりゃゲームが違うってば