ミニスカを脱がさないでby複製人間
その日天界には木座と健しかいなかった
「はーあ…暇だな」
「だったら仕事しろよ」
「仕事嫌いだもーん、だって俺玄人だし。働くの嫌いだから博打打ちになったんだぜ?」
暇を持て余しまくっていた健は“クサレ外道閑居して不善を為す”の言葉通り、祿でもない事を思いついた
「よし木座、仕事だ」
「…は?」
「ほれカメラ。丁度龍龍が帰ってきてる頃だから『龍龍の生活一日生レポート』しろ。俺ここで見て楽しむから」
「な…何!?オレに死ねってゆーのかよ」
「うん」
「ばかやろっ!忌田さんに死ねって言われたらウン万回でも死んでみせるが誰がてめえなんぞの為に!!何のメリットもねえ!!」
「んーあるぜ?」
「なに?!」
「今日忌田が作ってくれた昼飯分けてやろうか?」
「え…まじ?!」
「うん」
「…受けてやる。だが絶対食わせてくれよ!」
「ちょっとだけならな」
ってな訳であまりに哀しい理由で木座神は決死の取材に乗り込んだのだった。
まず港。
泣き叫ぶ若い女性達の姿がたくさんある中にその美麗な青年は立っていた
「おい幾らだ?」
相向うのは多分女衒のオッサン
「まこんなモンで」
「ちっ安いな…まあたいした女がいねえから仕方ねえか」
美青年はそう言って泣き叫ぶ若い女性達を突き飛ばした
「しっかり稼げよクソ女ども」
「ひとでなしい!!」
女性達は口々に罵ったが青年は気にも止めなかった
「いきなり最悪だあの野郎…」
ぶるぶる、震えながらも木座神は小龍の後を追う。
いつも人気のない波止場に出来る長蛇の列。
どうも武器と交換に米を与えている模様。
「金がねえだと?なら米はやれねえな」
「そ、そんな!!うちには腹をすかした子供たちが」
「金がねえなら餓死しろ。次」
「人でなし過ぎる!帝王に負けず劣らず!ん…部下に何か言って持ち場離れるぞ?どっか行く気か?」
愛しい玩具の所へご主人様は向かっているのです。
さて愛しい玩具君もやっぱり愛しいご主人さまを待ち焦がれていました
「近藤!!」
「小龍…」
二人は熱く接吻を交した
「浮気してなかっただろうな」
近藤は唇を嘗めた
「…こんだけ長い間一人にしてたんだ…してたに決まってんだろ。体が疼いて仕方なかったんだ。思いっきりいろんな野郎どもに抱かれてたさ」
「この淫売が…」
「俺をこんなにしたのはてめえだろ」
小龍は服を引き剥がすと歯を立てた
「お仕置きだ…たっぷり痛め付けてやる」
「くくく…そうしてくれよ…」
なんていいながらいちゃつく二人
「…いいのか国会議員!!国民の代表だろ?くそ!!日本人の道徳はどこ行っちまったんだ」
玄人の癖に道徳を叫ぶ木座だった
何だか早くおうちに帰りたい衝動に駆られつつも、彼は潜入レポートを続けた。
「うわ…ちょっと待ってくれ」
彼の前では言うも憚る壮絶なプレイが繰り広げられていた。
「り…リリカルの欠片もねえ!!(泣)」
「小龍…もっと…あ…はあっ」
「いけない議員先生だな…くく」
異界に迷いこんだ気分になるキザ。
「この国に未来は…あるんだろうか…」
博打の神かなんかに問いただしたくなる彼だった。
さて健は部屋で映像を楽しんでいた
「おほ…センセってば俺とヤる時よりエッチじゃんひでえなあ…うわ恥ずかしい台詞。いいなあ龍龍…でも嬉しそうな龍龍も可愛くて喰いたくなるなあ…俺も参加してえ…ン?角度変わってよく見えねえぞ…おい木座、もっと近寄れ」
「無茶言うな!!オレに死ねってのかよ」
「大丈夫、ヘタレは死なねえよ」
「どーゆー根拠だそれは!!」
と叫びたかったがそうも出来ず木座神は小声でつっこんだ。
「なあ…近藤今何か聞こえなかったか?」
「さあ…な?空耳じゃないのか」
「オレは耳がいいんだぜ。何か妙だ…」
(やっやばばばー!!)
ちなみに彼は近藤先生宅のでけえ花瓶の中に潜んでいる。
小龍は立ち上がると辺りを見回し木座のすぐ近くまで歩み寄った
「確かここらへんだったな」
(畜生どんな耳してやがんだ?蝙の超音波かよ)
小龍の目が花瓶に向く
「そこか!?」
花瓶を蹴り割ると中には当然木座が入っていた。
で…
「さあて…どうしてやろうかな」
縛り上げられた木座の前でうすら笑う小龍
「違う…オレは無実だ!!帝王の野郎の命令で仕方なく盗撮を…」
「じゃあこのカメラは健につながってンのかよ」
木座は命が惜しいのであらいざらいブチまけた
「へえ…じゃあいいじゃねえか小龍。許してやれよ」
「何?」
「おい木座。かまわねえから撮ってろよ…健に俺たちの仲見せ付けてやろうぜ」
「は…はあ!?」
驚く木座だったが小龍は爽やかに笑うと答えた
「そりゃあいい…健健見てんだろう?まあゆっくり堪能しろよ俺たちの熱愛ぶりをよ」
そして小龍たちはさっきより一層激しく愛し合い始めた。映像を見てる健様は我慢できる筈もない。
「俺もいくっ!!」
天界から飛び出した彼だったが
「あ!そだ」
よからぬ事を思い付いた。
木座はひたすら野郎同士の見たくもない痴態を延々と見せ付けられ、聞きたくもない喘ぎ声を延々と聞かされていた
「…オレの愛するリリカルはどこ(泣)」
二人がひたすら畜生道の愛を貪っていたその時、健が(どうやって見付けだしたのか…野性の勘かな)入ってきた
「やっぱりきやがったか」
「帝王…畜生…」
「待て。後ろにいる紙袋はなんだ?」
健の後ろにいる紙袋を被った代物は黒シャツを着ていた
「なあ健…オレどこに連れてこられたんだ?」
「阿佐田!?」
近藤の顔色が変わる。
「哲ぅ今お前の目の前でなあ…へぶっ」
近藤は健に枕を投げ付けた。
(何でよりによって阿佐田を…!(泣))
「…」
取り乱す近藤の様子を見て小龍は考えていた。
この場に哲がいる以上近藤はプレイに身が入らない。
いっそ真実をぶちまけて、廃人になった近藤に未知の開発を施すか…。
どっちにせよ先生は大ピンチだった。
「健…何だか窒息しそうだぜ?もう取るぞ」
紙袋に手を伸ばす哲と
「取るなー!!頼むから取らないでくれっ!!何でもするから」
切羽つまった声で叫ぶ近藤
「もういいじゃねえか?あらいざらいぶち撒けちまえよ」
「小龍?…なんで近藤と一緒にいるんだ」
「そりゃな…」
はたで見てた木座神は近藤が、まだ哲に対してだけはノーマルな感情をもっている事を感じこの男の最後の良心を守ってやりたいと思った。
そして
「おい哲!」
「その声…えっと誰だっけ」
「木座神だよ!!(泣)忘れんな!てめえとこの先生がどんな関係か…詳しくはしらねえが…その紙袋取ったら二度と議員先生とは会えなくなるぜ」
「…え?…本当なのか近藤?」
哲の問いに近藤は短くああと答えた
「…じゃあとらねえよ…お前の言葉をオレは信じる」
「阿佐田…ありがとよ」
かたっぽは紙袋。また片方は野郎と情事中だが、二人の友情と信頼は本物だった。
そんな、まっとうな神経を持った人間なら心が洗われるような光景だが、その場にいたのは鬼畜プリンスと腐れ帝王。一人は
(く…近藤め、オレより黒シャツのが大事なのかよ)
と嫉妬し、また一人は
(ふふーん、こんな位で俺があきらめるかよ)
と思っていた
(龍龍。真実ブチまけても多分哲は信じねえ。とにかく先生哭かせろよ)
(言われずともそうするさ)
いきなり共犯になり、邪悪な通しで語る健と小龍。近藤は白い肌を真っ蒼にした。
「くそう…何とかしてやりてえが…どうすれば…」
ヘタレにはかなり荷が重かった。
小龍は蒼白になった近藤の肌と言わず何と言わず、一番敏感で感じ易そうな部分だけを執拗に責め上げた
「…く…」
歯を食い縛り必死で声を上げるのを堪える近藤
「近藤?どうしたんだ?苦しいのか?」
「あ…あさだ…」
「哲う?取って確かめたらどうだ(にやにや)」
「それだけは…たの…たのむから…」
「近藤…」
困惑する哲
「て…てめえらの血は何色だあ!!」
ついに耐え切れず叫んだ木座に獣二匹は速答した
「赤だよ」
「くうっ!」
木座神はうめいて走り去った。
彼にはヘタレなりに考えがあった。
あんま関わりたくないあの男を呼ぼう!絶好調の萎えキャラを!!
都合のよいことにヘタレの彼がいなくなっても気にする奴はいなかった。
獣どもの悪巧みに遂に近藤が陥落しかけたその時だった
「ぐっあふたぬーんえぶりわん♪」
銀河万丈ボイスのそいつが姿を現した…しかも
マクドの制服(超ミニ)で
「ごぐわあっ!!」
「ぐげげ」
「…」
さすがの近藤の、歯止めの聞かない欲望も一瞬にして拭い去られた
「なんだ?春木か」
幸いな事にこの姿を見なくてよかった哲だった
春木の姿を見て一気に萎える獣ども。
「…おぞましすぎる…死ね」
春木が小龍にぼこられてる間に、近藤は手早く服を身に付けた。
「あれ着てるのが哲おめえだったらなあ…」
「?」
ふらつきながら急ぎ出口に向かう近藤に気付き、小龍は叫んだ。
「近藤お前!!」
「罰ならいつでも受ける!だが今は駄目だ!またな阿佐田」
そして先生は逃げおおせた。
「くそ!」
「なあ春木その衣装今度貸せよ。ユウたんに着せよう♪」
春木ぼこられて死んでます。
「やった…オレやったんだ(泣)」
ヘタレなりに確な自信を手にした木座神だった。
遂に紙袋をとった哲の目に写ったのは健と着乱れた小龍と満足そうな木座とボロ雑巾にされたマイクロミニの春木だった
「小龍…てめえ…近藤と一体何があったんだ?」
「チッ…」
「哲、聞いてやるなよ」
やたらかっこよく木座が諭すが
「黙れヘタレ」
あっさり小龍に蹴り飛ばされた
「近藤は俺の…」
「よせ!」
木座神の制止もむなしく小龍は言った。
「玩具だ…とびきりのな」
「な…に?!」
「あいつはオレの言うことなら何だって」
「…小龍てめえ…」
哲の瞳が怒りの色に染まる。
「えげつのないことをする男だとは分かってたが…近藤を…許さねえ!奴が人のいいのをいいことに…春木の女装見せて嫌がらせて!楽しんでたんだろう!!」
「わあすげえ天惚け♪」
哲の余りのボケっぷりに気力の失せた小龍はもうそういう事にしてやった
「うわおぞましい…だから近藤は必死でオレに見るなと言ったのか…なんていい奴なんだ…近藤…」
「麗しい友情だ(泣)」
感涙にむせぶ木座と
「そっか?」
人でなしだった
小龍は逃げた近藤を追い、健は
「萎えちまったなあ…ユウたんにこれ着てもらって元気になろっと♪」
春木の衣装を剥ぎ取る。
「え…ユウさんに(嬉)」
「哲お前も来るか?」
「ああ!」
やたら嬉しそうに二人は去った。残ったは木座神と裸の春木。
「どうしよ…こいつ(泣)」
途方にくれている木座の下に現れたのは何故かタミミミだった
「げ…オカマ姉妹」
「木座ちゃん…春木ちゃんとそーゆー仲だったのね?」
「仲…え?」
眼前にあるのは裸の春木
「ち…違う全然違う!!」
「いやーん趣味悪ーい」
可哀相な木座だった
「違うっ、オレは!…うわ〜ん!!」
「あら行っちゃった…仕方ないわねえダーリンを全裸にして」
「ほったらかしで帰っちゃうなんて」
そしてその晩オカマどもにより木座神×春木説が天界でまことしやかに囁かれた。
天界の外では
「…うう…もうお終いだあ(泣)よりにもよってあの複製人間となんて…」
「おい木座神」
「どっわああ忌田さん…ちっ違うんです!」
「いいから中入れ」
うなだれて木座神はそれに従った。
「あの…オカマどもは?」
「もう帰った」
「あ、あの…」
「さっき代議士先生から電話があってな。お前に宜しくとよ。…まあ口止めだ」
「あ…」
「事情は大まか分かった。…よくやった、お前のしたことは正しい」
「い、忌田さぁん(嬉泣)」
「ほら」
「…わ!こここれ?!」
「晩飯まだだろ。冷めるぞ、早く食え…(恥)」
「八宝菜ぃぃ!!うわあん(泣)」
「泣くことねえだろ」
かくして木座神は、命の危険を感じまくったり、野郎同士のカラミをみせつけられたり、春木のおぞましいミニスカ姿を見たり、しかもそいつとのホモ疑惑を囁かれたりと散々な一日だったが、最初の目的の
“忌田さんの手料理”
は、手に入れたのだった
そして
ユウは健と哲てふ二匹の獣?に無理矢理服をひん剥かれてミニスカを穿かされて顔を真っ赤にしていた
「いや…あ(恥)や…そんな見るな」
「恥ずかしがるユウさんも…すげえ好き(悪)」
「ユウたーん?スマイルしろよスマイル!!有料でもいいからさあ」
「出来るかっ!!」
「なして筋肉男の俺が!こんなっ!!(泣)」
「だって可愛いもーん」
「ユウさん太股引き締まって綺麗だな…体毛薄いし…(さわさわ)」
「いっ、いやっ!触らんとってえっ!!(泣)」
「まじ春木とは大違いだ♪」
「でもよ健?よくユウさんの穿けるサイズのミニスカがあったよな?」
「ああ春木の野郎女装が趣味なんだよ」
正しくは違いますが
「げ…気色悪い…あの面でかよ」
「だよなー?」
「おい…お前ら現実見ろよ。俺のミニスカだって十分気色悪ィよ」
「(聞いてない)まあいつ変態だしな」
「お前らのがよっぽど変態だよ(泣)」
ちなみに春木の名誉の為付け加えるとミニスカだったのは木座が作戦の為に着てくれるよう頼んだからです
「あー今うちでコスプレパーティーやっか?♪すっげ楽しいぜ?」
「ユウさんのナースとか…着乱れた喪服(留袖)とか見れるのか…いいな(赤面)」
「あほー頼むから哲!正気に返れっ!!(泣)」
「今度は春木外すから」
「頼むぜ」
「哲が攻めキングに!!」
結局ユウさんは一晩中二人にいじられまくり本気で花巻に帰ろうかと思ったという
で小龍はというと…
「おい近藤!」
「小龍…罰なら受けよう」
「それも大事だがな、おい…お前黒シャツとオレとどっちが大事なんだ?」
「阿佐田とは…本当にただの友人だ。肉体関係は一切ないし、持ちたいとも思わないよ。俺には奴の生き方が眩しい…それだけだ」
「…そういう事じゃねえ。お前は黒シャツにひかれてる…そうだろ?じゃあどっちを…!!」
「小龍…比べるも何も基準が全く違う」
「命令だ答えろ」
近藤は黙り哀しげに小龍を見上げた
「何故答えねえ」
「…」
「答えろ!」
小龍は乱暴に近藤の肩を揺すぶった
「…阿佐田だ」
「何…」
「お前と初めて会った時にも言ったよな。あいつは俺にないものを全てもってる。あいつの生き方こそ俺が求めて止まないもの…奴はカスみてえな俺の人生の最後の希望、砦なんだよ。俺にはお前が必要だ。この上なく愛してる…。けど俺が大事にして守らなきゃいけねえのは…阿佐田とのつながりなんだよ」
「近藤…」
「気が済んだか?…お前の怒りは尤だ。俺だってなんでわざわざこんな事言うのか分からねえよ…好きなだけ責めりゃいい…何だってするさ…」
「もういい」
「え…」
「そうやって自分をそっくり黒シャツに賭けちまう…そんなお前をオレは気に入っちまったんだからな。プライド捨ててわざわざ痛え人生選んだお前をオレは選んだ。お前から阿佐田を取り上げたらお前は…お前でなくなっちまう」
「小龍…」
「だが忘れるな。あくまで…」
「ああ、俺の主人はてめえだけだ。そして畜生じみた愛の相手もお前だけ…」
「近藤…」
「愛してる小龍」
「約束してやる近藤。黒シャツにはお前との仲は金輪際バラさねえ」
「小龍…」
「その代わり約束しろ」
「ああ…それだけ守ってくれんなら生皮剥がれたって構やしねえ」
「…オレから離れるな…」
「何を今更…」
「いいから誓え!!」
「ああ神仏に誓って…」
「オレに誓え!!」
「お前に誓う…何があっても離れねえよ。お前が俺に飽きてもずっと想い続けるさ」
「オレだけの玩具だ…近藤」
そして噛みつくような口付けをし二人はまた部屋へと帰った。
まだ裸の春木が転がっていたが、小龍はそれを窓から蹴落として、二人の熱い夜は第二ラウンドを向かえたのだった。
その晩裸で気を失っている所を猥褻物陳列罪で警察に確保された春木を忌田は保釈金を払って連れ戻したという…
「コスプレパーティーするのに要らねえからそのままおいときゃ良かったのによー」
と言うヤンチャ中年は綺麗に無視して…
小龍と近藤の仲がだんだん本物の愛(但しすごい勢いで歪みまくっているが)になり、哲の天ボケと鬼畜ショタ攻めっぷりが本格化してきた作品
ちなみに春木は何も悪くないはずなのに、どうしてこんなにひどい扱いなのでしょう?