自由な娘たちの店で、鬼畜乙女と死神
「印南…俺と楽しい事しねえか」
今日も元気にエロくさい代議士が、印南に話し掛けた
「いやだから祥ちゃん。俺と祥ちゃんは友達であってだな…」
「フフ、心配すんな。その誘いじゃねえよ。まあ来いって…」
印南が強引に連れていかれたのは、何だか高級クラブっぽい建物だった
「ようこそいらっしゃいませ、近藤先生。そちらがお連れ様ですか」
「ああ。とびきりのを頼むぜ」
「承知致しております」
「なあ祥ちゃん…ここどこだ?高級クラブっぽいがなんか個室だらけだしよ」
「フフ、楽しい事っつったろ?ここは、一晩十万のとびきりの女ばかりがいる会員制高級ソープさ」
「会員制って…」
「心配すんな。俺は常連だからよ。顔も効く。好きな女選んでいいぜ、俺のおごりだ」
「いや問題はそこじゃなくてよ」
困惑した様子の印南に
「こういう経験してみたかったんじゃねえのか?大丈夫さ。お前の体のことはよく言い含めてある」
「祥ちゃん、気持はありがてえが…俺はあくまで恋愛がしたいのであって…」
「ふふ、相変わらず純だな印南」
「祥ちゃん目がやばいぜ?」
「フフ、そんな事ないぜ?」
「だからさ、俺は遠慮…」
「あらセンセ、いらして下さったの」
なんだかものごっつい美人が近藤に艶然と微笑みかけた
「よお久しぶりだな」
「うふふ、浮気ばかりなさるんだから。今日は私をご指名下さらなきゃいやよ…ところでそちらはお友達?それとも恋人?」
「ははは、恋人って言い草はいいなあ。昔馴染みだよ…じゃあ印南、俺は俺で楽しんどくからお前も頑張れよ」
「いや俺頑張ったら死ぬ…」
「ここはいい医者もいるから平気さ。それじゃあな」
取り残された印南
「…弱ったぜ…」
「こんばんは」
印南が振り向くと、眼尻に凄いような色気のあるお姉たまが立っていた。
「あんた…」
「近藤先生からお話はうかがってるわ…」
「いや俺は…」
「よろしくね、印南さん」
「よろしくされても困るんだがよ」
「そんなに心配しなくても。お医者もいるし、ヒロポンもあるわ。体力使わない体位も出来るし…」
「祥ちゃん気が回りすぎだよ」
「それとも私じゃご不満?これでも店一番の売れっ子よ」
「だったらなおさら駄目だよ。」
「何故?」
「もったいねえ、あんたに不満があるとかじゃなくてよ…俺がしたいのは」
「フフ…」
「?」
「先生の言ってたとおりの方ね。いいわ、どうあっても今夜は楽しんでもらうから」
「…祥ちゃん…恨むぜ?」
貞操の危機に襲われた印南だったが、さすが死神だけあって地獄からの助けが入った
「死神くんじゃねえか」
「健ちゃん…なんでここに」
ものごっつい別品を両手に一人づつひっかかえた健は
「だってここ俺の店だもん」
とその胸を揉みながら答えた
「成程な…祥ちゃんに連れてこられたんだよ」
「何?センセも来てんのかよ。今日ホントはセンセとやりまくるつもりだったのに、用事があるってったのは死神くんとデートだったのか…ひでーな」
「もうどうでもいいから何とかしてくれよ」
「何を?」
「あら健さまのお知り合いですの」
「おう。死神くんはけーこみてえな女が好みだったんだな」
「いやそうじゃない」
「分かった分かった」
何が分かったんだか健は妙な事を言い出した
不審がる印南に
「死神くんは受けがいーんだなっ?♪」
「何いってんだ健ちゃん…?」
「やあ受け死神かあ、可愛いなあ♪」
「なあ健ちゃん。俺さ、祥ちゃんには悪いんだがもう帰りてえんだが…」
疲れて血吐きそうになる印南。周囲にはすごいレベルの美人だらけ。しかも誰を好きにしてもいいという男の天国のような状況にも関わらず、印南にとっては地獄も同然なのだ
「ひどいわ健さま。こちらは私のお客よ」
「それに私はどうなるの」
「じゃみんなまとめて俺が…」
健の注意が逸れた隙に逃げようとした印南だったが
「お客さま。当店では途中退店はご遠慮頂いております」
恐い黒服の兄ちゃんが行く手を阻む
「健ちゃん、何とかしてくれよ…」
「うん?ものは経験だぜ?どうせだから楽しんでいきゃいいんじゃねえ?」
「駄目なんだよ…後生だ…」
「じゃあよ、その気になるまで俺らがヤんの見学してけよ♪血噴いてもいーからさ♪」
「無茶いうなよ…哲ちゃん…俺は今地獄にいるぜ…」
なんだか、最後の勝負の場に放り込まれた気のする印南だった。
「とりあえず祥ちゃんを呼んでくれ」
という印南の涙ながらの訴えにより呼び出された近藤
「センセ今日もエロセクシーだな♪」
「やってる最中に…なんか用か?」
「死神くんが、最初だからうまく出来ないかもしれなくて恥ずかしいんだって」
「なんだ。ちゃんと言い含めてあるから平気だぜ」
「違う!!祥ちゃん、俺はセックスしてえ訳じゃなく恋愛をだな…」
「恋愛ってセックスの事だろ」
「なー♪」
「…俺の中じゃ違うんだよ…」
なんかしょげかえってしまった印南に、さすがに近藤は罪悪感を覚えた。
「…印南、悪かった…」
「祥ちゃん…」
「けどな、やたぱり一度経験してて損はないと思うぜ?」
「俺も俺もー!!」
「…東京には空がねえなあ…函館の星降るような空が…はは…あの高く澄んだ空が俺を…」
ヤクが切れたのか、ぶつぶつ呟き始める印南
「…童貞捨てさせてやろうと思ったのに」
「何?じゃ俺がやろうか」
「お前にくれてやるくらいなら俺が貰う」
「センセのケチー!!」
「私たちはどうなるの?」
「そうよ。高級ソープで男同士でいちゃつかないでよ」
「だってさ。とりあえず死神くん…何だかブッ壊れたみてえだぜ」
「…それは俺の専売特許なんだが…仕方ない。医務室に運ぼう」
「お前らは俺がまとめて面倒みてやんよ♪」
「星…星がみえねえ…ひひ」
といえ訳で血も吐いてないのに医務室に運ばれた印南
「…すまねえな印南。悪気は別になかったんだ」
妙に殊勝な近藤
「…祥ちゃん…」
そしてそんな近藤に、正気を取りした印南
「俺こそすまねえ。ただよ祥ちゃん…いつもこんな風に金で女買ってるけど、財布は大丈夫なのか?常連みたいだがよ」
「なあに。腐れ毛唐と寝りゃそんくらいはすぐに叩きだせるさ」
「…祥ちゃん…」
「分かってるよお前の言いたいことはよ。だが…これが俺の生き方なのさ」
「祥ちゃん…」
「また別の案を練るからよ…」
「いや、いいよ。祥ちゃんみたく親身に考えてくれるダチがいるだけで満足さ…しばらく恋愛はおあずけでいいよ」
「印南…フフフ…ダチ扱いしてくれてありがとよ。むしろ惚れちまいそうだ」
「いやもうそれは…」
「俺が女だったら、な。そしたら抱いてくれたか?」
「…まずは文通からよろしく頼むぜ」
「文通とはおそれいったな…」
「まずはそれだろ?」
「なあなあ先生ー?死神くーん?俺差し置いてラブってねえ〜?」
「…健ちゃん、目の遣り場に困るぜ」
「最中に来るなよ」
「だって二人っきりで個室だろ?当然やるつもりだろ?」
「お前はそれしかねえのかよ。大体最中に出てくんな、二人相手にしてんだろ」
「いや三人。センセが途中で置き去りにしてる娘もいれてな」
「…その元気ちょっとは分けて欲しいぜ」
「てかこの店、オーナーがこんなで利益出てんのか」
そしてその日はオーナー自らがっつんがっつんやりまくって終わった。
後日
「なあ木座神」
「うわ変態代議士!」
「リリカルを教えてくれ…友情に応えたいんだ」
「ほげあー?!!」
議員はその後ユウたんや忌田にも聞きまくったという。
近藤先生が乙女リリカルし始めたお話
しかし、帝王に高級ソープをやらせるなんて、犬に肉屋やらせるようなモンだと思うんですが…まあ、止めて聞く人じゃないけどね