シンデレラ

昔昔継母と二人の姉と暮らす質の悪い娘(ひげつき)がおりました。
灰になっても死ななさそうなのでシンデレラと呼ばれていました。
娘は毎日賭場に入り浸り屑の玄人からかっぱぐ屑中の屑でした。そしてその余りの強さから帝王の異名すら奉られていました
娘の悪行を止めようとしても無駄なので、継母(春木)姉たち(ドテ子、木座神)はもうあきらめていましたが、そんな娘にも一つだけ夢がありました
それはたまに街に姿をお城の王子さまの事です。
長身で体躯のいい王子さまはなんだか娘の萌心をそそりまくりますが、さすがにガードが厳しい為手を出せずにいました。

そんなある日お城で舞踏会が催される事になりました
「なあなあ春木、じゃなかった。おかーたま。俺さ、城の舞踏会行きてえ」
「あなたのサイズに合うドレスは〜ナッシング〜なのでーす」
「ええ〜じゃ裸でもいーから乗り込んでやろ…ぐほっ
「やめんかい、これ以上うちの名汚しなや!あんたは留守番!!ちっとは頭冷やし!」
「え〜!!」
「いっつも人様に迷惑かけてんだ!反省しやがれ」
そして皆が舞踏会に出かけ一人取り残されたシンデレラ

「くそうドレスさえ都合できればもぐりこめんのによ」
とそこへ何だか筋者くさい顔をした人が現れました
「シンデレラ…お前舞踏会に行きてえのか?」
「めっちゃ行きてえ!!」
「そうか(沈痛そうな顔で)俺も本当はお前の望みなんか叶えて世の中の悪を増やしたくねえんだがあんたの死んだオフクロにゃ世話ンなったしな。…まああの王子に犠牲になってもらったらそれで済む話だしな」
「何ぶつぶつ言ってんだ?…てかあんたも美味そうだよな、是非食い…」
「タンマ!!いいから黙れ…舞踏会に行きたかったら俺に手ェ出すな」
魔法使いは浮き世のしがらみからシンデレラを助け?に来ざるを得なかったのです

「とりあえずシンデレラ、ドレス作るから採寸だ」
「いやーんえっちだなあ♪やっぱ理由つけて俺としたいんじゃ…」
「お黙りんさい!(泣)よし。型紙は出来た…ちょっと待ってろ」
魔法使いはすごい勢いでミシンがけを始めました。
「すげっ♪どんどん出来てくなあ」
「ぜーはー、か…完了!よし着てみろ」
「おほっ、ぴったりー♪よし行くぜ舞踏会」
「これ、車のキーだ…くれぐれも十二時までに帰ってこいよ。服の布それ以上もたねえから…」
「分かった分かったセンキュな♪いやっほーい」
親切な魔法使い?の手縫いのドレスを身につけシンデレラは意気揚揚と城へ潜り込みました

「お…いたいたいたよ」
王子は今日は一段と美味そうです。すぐさま食らいつきたい気持ちを抑えシンデレラはまずは腹拵えを存分にする事にしました。
その光景はあまりに皆の眉をひそめさせたので
「ヘタレ姉さまもしかしてアレ…」
「しっ目を合わせるな。身内だと思われる」
さんざんがっついた後、シンデレラは王子が継母とすげえ嫌そうに踊ってるのを目にしました。
ニヤりと笑いシンデレラは二人に突っ込んでいきました。
「ごめんあさぁせ♪」
「マイガッ♪」
「うおっ」
「悪い悪いドレス着なれなくてな。王子さん、よけりゃ踊らねえ?ってか抱きてえ…」
「ひっ!こ、腰を撫でまわすなっ!!何だなんだあんた(泣)」

王子さまは限りなく嫌そうでしたがシンデレラは無理矢理一曲…てか数曲踊らせました
「ほんと美味そうだな…その腰といい肩といい…じゅるり」
「頼む…頼むから離してくれ(泣)」
「じゃあこれからベッドにしけこもうぜ」
「嫌だあ!!」
嫌がる王子を独占してシンデレラはひたすらセクハラし続けましたが…

ごーんごーん、

天罰のように十二時の鐘が鳴り響きました
「あ…そういや何かあの美味そうな魔法使い何か言ってたな?まっいーか」
しかしやっぱり服はもちませんでした。シンデレラの毒気をさんざ吸ったため幽世の絹は朽はてようとしてました。
たちまちセミヌードになるシンデレラを継母姉たちはこれ以上家の恥を増やしては、とかっさらうように連れて帰りました。
「ちぇ、王子さん俺はまた戻ってくんぜ♪これが印だ」
シンデレラは靴を脱ぎ捨て王子に投げてよこしました。

嵐の様にシンデレラが去って行った後王子は嫌々ながら靴を拾い上げましたが
…臭え
シンデレラの足は臭かったので王子は益々ゲンナリしました。
彼は靴を捨てさせ、その晩の事はなかった事にされました

シンデレラは王子から連絡がないので城に乗り込もうとしましたが警備が厳重です。
「あーSWATの装備一式ゲットして乗り込みてえなあ…しかし入手するにもツテがねえのが痛えな…」
すげえ物騒な事考えてます。
「お、そーだ。おーいこないだの魔法使いー!出てこいよ。出てこねえと頭ん中で犯し倒すぞ♪」
「勘弁してくれよ!!(泣)」
泣きながら現れた魔法使いにシンデレラは力添えするようダダをこねました。
「…頼むからそんな怖いことしてくれるな…城から王子連れ出すから」
「え、まじ?♪」
マジでした。魔法使いは支配者は一般人民の為に犠牲になる義務があると考えていたからです。
まあシンデレラにとっちゃそんなこたどうでもいい事でした。

かくして無理矢理連れ出された王子はというと
「…約束通りまた会えたな♪」
限りなく嫌な顔をしていました
「…こないだの足の臭い奴か…」
「どうして迎えに来てくんなかったんだよ」
「何でお前を迎えにこなきゃなんねんだよ!」
「だって俺たち愛しあってんじゃん♪」
「勝手に決めるな!!(泣)」
「もう離さないぜマイラバー♪」
ひっひいいいい!!!

王子さまは泣きながら結婚証明書にサインさせられ…かけましたが一人の美少女が駆け込んできてそれを引き裂きました
「その結婚は無しだ!!」
「…お?これまた美味そうな可愛子ちゃん♪誰だ?王子さま」
「いや…知らない…が可愛い」
「王子さま!!オレは隣の国の姫であんたの婚約者だ!政略結婚だからあんたは顔を見た事もないだろうがオレは一目見た時からずっとあんたとの結婚を楽しみにしてたんだ」
「そ…そういや婚約者がいるって話は聞いてたが、まさかこんな可愛いお姫さまだとは」
「なのに…こんな足臭そうな奴と結婚するなんて許せない!!勝負だシンデレラ!!」
「へえ♪可〜愛い♪こっちも食いたいなあ。よし、お姫さん。勝負で俺が勝ったらあんたも俺のもんな」
「いいぜ」
「お、俺のために争うのは止めて!!(泣)」
王子様はヒロインのように泣きながら止めましたが無駄でした

「ちなみに勝負は何でするんだ?」
「暗算対決だ!!」
姫は百マス計算の用紙を取り出しました
「行くぜ、一秒でも早くマスを埋めた奴が勝ち」
「ち…ちょ…ちょい待ち!!」
「何だ王子さま?」
「あの…何で百マス計算で俺の帰属が決まるんだ?」
「いやオレの国、今子供の学力低下が問題になってるから、基礎学力の定着の為に実施が義務づけられてんだ」
「それは理由になってないような…」
「だってどのみちオレと結婚するんだからうちのやり方に慣れてて欲しいし」
「まるで俺が負けると決めてかかってるよな口振りだな?」
「俺は小学校中退だが計算は得意なんだぜ?博打で鍛えたからな!!」
ストップウオッチを持たされたユウ王子。
釈然としないまま
「え〜よーい、始め!」

玄人の殺気をまき散らしながら計算を解くシンデレラと哲姫。
(何か…地味な勝負だ…)
王子は何かこんなもんに自分の運命委ねられてると思うといっそ王子はやめよかな、と思いました。
終わったあっ!!との叫びが上がったのはほとんど同時
「えー…じゃあ答え合わせね」
カリカリと言う地味な音が響きます
「全問合ってるよ」
「オレもだ」
二人はしばし睨み合ったがどちらともなく歩み寄りそして何やら話し合うと王子に宣言しました

「協議の結果…王子さまは半分こにする事に決定いたしました」
「え…?あ…あの、俺の意思は?」
「ごめん、ない。全然」
想像された事態でした
「大丈夫、王子。オレ優しく気持よくしてあげるからさ」
「ひっ姫が攻めだ!!(泣)いやあああ!!」

かくして王子はシンデレラと姫の二人に一生取付かれましたとさ
めでたしめでたし