ヘンゼルとグレーテル
昔むかしある所にヘンゼルとグレーテルの兄妹が両親と一緒に住んでいました。
ただ二人の家は余りに貧乏なので両親は遂に二人を捨てる事にして森の奥に捨ててしましいました
グレーテル(哲)「兄さん…これじゃ帰り道が分からないよ」
ヘンゼル(近藤ッチ)「大丈夫だ、キチンと目印を置いてきた」
「それがパン屑だったりしたら食われてると思うけど」
「いや、原作で一回目に落とした夜光る石だから今回は平気…」
ボリボリ
「兄さん…変な生物が石食ってる」
ボリボリ(特別ゲスト紫苑くん)
「だあっ…(泣)何なんだこの生物は…くそ、俺の不運はここまで祟りやがるかよ」
「まあまあ兄さん…」
ショックを受けるヘンゼルを何とか宥めてグレーテルたちは森の中を当てもなくうろつきました
「腹減ったな…」
「待て阿佐田…じゃなくてグレーテル!家がある…しかもお菓子の家だ」
「マジで!?」
二人ともそれ程甘党ではないのですが、飢餓状態では甘味が欲しくなるものなのです。
さっそく飛び付こうとすると扉が不吉な音を立てて開きました
「迷子かね?ひひ」
(化け物だ)
そこには明らかにヤク中くさい顔が確かにありました
「こんなとこに子供(らしい)が来るとはな…ひひ。腹減ってるならこのお菓子の家にかじりつけよ」
「いいのか?」
「ひひ、どうせ食べてくれるアテはねえからな」
二人はもくもくと家の破片を食べました。
「腹減ってるから美味い、けど…何だか死の味がするよな兄さん」
「食わなきゃどのみち死ぬんだ、おとなしく食うぜ」
二人が甘いもので喉がイガイガするまで食べると魔女(らしい)は紅茶まで出してくれました
「ひひ…どうせ行くアテはねえんだろ?」
「ああ」
「じゃウチで働けよ。飯くらいは食わせてやるぜ」
「どうするグレーテル?」
「そうしよう兄さん」
次の日から薬中のもとで二人は働き始めました。
ヘンゼルは薪割り、グレーテルは炊事。
グレーテルの作ったものはここだけの話豪快すぎる男の料理でしたが。他の二人はとりあえず何も言わず食ってくれました。
穏やかな日々。だがしかし、兄妹の危機は確実に迫っていたのです
魔女はたまに謎の注射器を出して謎の液体を注射しました。
二人はヤバいとは思っていましたが、食わせてもらっている手前何も言いませんでした。
だが実は?魔女はヤク中で、ヤクを手に入れる為なら何でもするのでした。
こんな森の中でどうやってヤクの金を稼いでいるのか、それは
「よお?イキのいいのは手に入ったか?」
「ああ…だから早くヒロポンを…」
「商品を見てからだ…」
人身売買でした
奴隷商人(小龍)は商品を確認するためお菓子の家に赴きました。そして働く二人の姿を確認しました。
「ほう…うまそうだな。特に兄貴の方はエムの素質がありそうだ…フフ、売り飛ばすより手元に置いて調教してやるか。約束のヒロポンだ…一月分はある」
「ひひ…これで眼が使えるぜ…じゃあ賭場で稼いでくっから後は好きにしな」
「ああ…そうする」
舌なめずりしそうな表情の奴隷商人に魔女は一応付け加えた
「出来れば…妹の方はあんまひでえ目に合わせないで欲しいんだが」
「あ?…まあ先に兄貴の方をいたぶるから妹の方は後にしといてやるよ」
奴隷商人はさっそくヘンゼルを調教部屋に閉じ込めると筆舌に尽くしがたい事を色々やり始めました。
グレーテルは掃除と雑用、そして調教されているお兄さまに食事を与える役を命じられました
「体力がねえと調教には耐えられねえからな、たっぷり食わせろよ。こいつの調教が終わったらお前も食ってやる」
だがヘンゼルのマゾっぷりはなまなかでなかった為、グレーテルはしばらく無事でいる事が出来ました
ある日食事を運んできた妹にヘンゼルは言いました。
「阿佐田…俺新しい世界が見えてきた気がする」
「兄さん?」
「今夜はあいつがいない。お前は逃げろ、後のことは俺に任せて…」
「オレ一人だけ?そんな事ァ出来ねえよ兄さん。一緒に逃げよう」
グレーテルは必死にかき口説きましたがヘンゼルは虚ろに笑って首を振りました
「…ここに森の地図と当座の金がある。お前は料理はあんまりだし掃除も…だが勝負度胸はいいから博打で食っていけるだろ。一人で生き抜け…この地図にあの魔女が行ったらしい賭場がある。気が向いたら仇でもとってくれ」
「やっぱり一人じゃ行けねえよ…どうして兄さんは行かないんだ?」
「フフ…俺ァもう戻れねえんだ…お前一人なら奴も見逃すだろ…早く行け!奴が戻ってくる」
「オレが逃げたって分かったら兄さんきっとひどい目に会うよ」
「いいんだ…むしろそれが楽しみなんだから」
遠い目をして言う兄にグレーテルはもう何も言う事が出来ませんでした。
二人の道は分かたれてしまったのです
「さよなら…兄さんの事は忘れねえ」
「生きてたらまたどこかでな」
かくして奴隷くんとして生きることになった兄と玄人として生を貫くこととなった妹。
二人はそれぞれ充実した日々を送りましたとさ。
めでたしめでたし