兎は寂しいと死んじゃうの♪帝王は萎えるとミッキーになるの♪

ここ一月ほど、健がおとなしい。
会った瞬間に抱きついてきたり、がっつんがっつん♪とか言わない

「…それはそれで物寂しいな」
なんてヘタレ狼が思っていると
「おいユウジ。最近、健はどうしたんだ?」
と変態代議士が話し掛けてきた
「折角暇なのにさっぱりやりに来ねえじゃねえか。お陰でタマって仕方ねぇ…」
ギラついた目の代議士に不安を覚え話題を転換
「忌田なら知ってるかもな」

て訳で天界に行き、事の次第を問うと、忌田は悲しそうに俯いた。
「何があったんだ?」
「…健の奴夢見が悪かったらしくてな」
「ほう?」
「おぞましい夢ばかり見るらしくて…何でも世界が破滅して自分と春木だけが生き残るとか…」
「…やだな…それすごいやだな」
「あとマトリクスみたく、接触した人間が皆信に早変わりしたり…そんな夢がひたすら続いたせいで奴は…」
忌田は言葉を濁す。
「ど、どうしたってんだ?」
「まさか健の奴、不能になっちまったのか?」
「…」
近藤の問いに忌田は黙ってうつむいた。

健の部屋に二人が入ると
「ヤア、先生二ユウジクンダネ?ボクハ健チャン。トッテモヨイ子サ」
「な…何ミッキーボイス(デジタル仕様)で喋ってんだよ健!?」
「アハハ、ボクハ健、明ルクテ爽ヤカナミンナノ人気者サ」
「忌田ぁ!!!?」
「あんまりに萎えすぎて、ついに野性のフェロモンが出なくなっちまったらしく、昔のデジタル製品みたくなっちまったんだ(泣)」
「おい、すげえ気味悪いぞ!悪い冗談だろこれ?!」
「だったらいいんだが…あいにく…(涙)」
「ミンナクライネー、ダメダメヨー?健チャンクライノイヤヨー」
虚ろな目で、引っくり返ったゼンマイ仕掛けの玩具のように単調に、大仰な動きを繰り返す健。
近藤とユウはこれに恐怖さえ覚えた。

「…ユウジ、先生…頼む、助けてくれ…」
やつれ果てた忌田は涙ながらに訴えた。
「しかし…どうやって?」
「萎え過ぎてこうなったんだろう。なら…」
ばり
とセンセはユウの服を引き破った
「ぎゃあ、な、何を…」
「ほーら健、お前の好きな男前の半裸だぜ。見ろ、この胸筋」
「キョウキン…健チャンキョウキン好キ…」
「まだか…(ひん剥き)」
「ぎゃあー!!な、何を…(赤面)」
「見ろー、お前の好きな極道乙女のうなじだぞ?しかも赤面してるぞ」
「ウナジ…赤面…」
「大分効いてるな。だがまだインパクトが足んねーか。おいユウジ。ケツ出せ」
「出せるか人前で!!(恥)」
「じゃ忌田」
(ぶんぶんっ!!)
「(大仰に首を振り)お前ら、健を戻したくねえのかよ?」
「ならあんたがやれよっ!!」

すると先生は
ヌラリ
と笑った
「…いいんだな?」

「健…最近ちっとも来てくんねえからよ…(ヌラリ)」
近藤は健の首筋を、舌でなぞりあげた。
「…うずいちまって仕方なかったんだぜ?クク…」
「エロ…眼鏡…センセ…」
「そうさ。今夜はしゃぶりつくしてやるぜ?健?」
健の瞳が徐々に光を取り戻した…かに見えた時。

バターン

「見付けたよ祥二くん!」
「か、金男ー!!!」
「ふふ、私のデートの誘いを蹴って何をしているかと思えば」
「ボク健チャン。萎エキャラ大好キ(じたばた)」
「戻っちまったよ(泣)」
「それは何かね、祥二くん。どっかで見たことがあるような…」
「不精髭バージョンの原寸大喋るミッキーですよ」
「ほう珍しい。我がアメリカのDLにもそんなものはさすがにない」
「でしょうね」
「売らないかね?私は実はミッキーが大好きでね」
「やめてえ!!(泣)」
ままんずが叫んだ。

「頼むっ、この子はビョーキでっ!(泣)」
「こんなバカだがお前にゃ渡さねーよ!」
「なんだい、君達もミッキーマニアかね?ふん、ジャパニーズ男前とヤクザモン…なかなか面白い。是非私のコレクションに…」
「されて堪るか!!(パンチ&キック)」
「ブゲフォ!!なかなか素晴らしいマニア魂だね、フフ…」
「健チャンミンナノニンキモノ。萎エキャラニモ人気サクレツ」
「…ちっ、売り飛ばしたらいい金になるんだが…」
「先生、あんたご主人様に似てきたな…(泣)」
「たり前だ。奴隷は主人に似るモンさなんせその為に調教…」
「もういいからその萎えキャラ連れて行って下さい(泣)」
「ふ…ん…まあいいか。健はしばらく役に立ちそうにねえし。ではミスター、私と夢の国に行きませんか?ミッキーより楽しませますよ」
「フフ…確かに君はミッキーより可愛いからね」
なんていいつつ、夢の国から一番遠い奴らは去って行った

「…はふう…(泣)とりあえず忌田、春木と信はしばらく出禁にしとこうぜ」
「ああ…」

その日天界でユウは、忌田とともに健に付き添うことにした。
「すまねえなユウジ…(泣)」
「いや、俺もこいつがこのまんまだと何だか切ないしな…(泣)ほら健、首振ってねえでちゃんと飯食え」
「健チャンゴハンダーイスキ。ケドナエキャラはモット…」
「健…もういいよ!(泣)仮にお前がこのままでも俺一生面倒みる…から…(涙)う…」
「忌田、まだ治らないと決まった訳じゃねえ…。何か解決策がある筈…」
「先生が言ってたみたいに萌えさせる…のか?(怯)」
「こいつを徹底的に萌えさせるシチュを作るんだ!!」
「…萌えシチュ…か…」
二人は涙をうかべながら最高の萌シチュつくりを始めた。

とりあえず
「頼む哲!!冥土でもゴスロリでもシスターでもいいから萌えコスをしてくれ!!」
「な…なんで土下座?うん、ユウさんがそこまで言うならいいけど」

で、忌田さんも
「おっしゃ!!師匠がそないに頼むならビキニになったる!!」
「ありがとよ」

んでもって忌田とユウもがっちり萌えコスをして…
「はじめるぞ」
「おう!!」
んな訳で天界一階にはごっつい濃い面子が集まった。

そして二階では
「おい帝王…」
「木座チャン今日モヘタヘタレー。ヘタレダーイスキ」
「もう怒る気にもなれねえよ…(泣)ほら、下行くぞ!みんな待ってるんだよ…」
そして。
壊れた帝王が木座に連れられ階下に降りて来ると。

「健健、てめえは獣だが受けは絶品だからな」
とノースリーブチャイナで、髪をアップにした小龍。
「アジアンビューティー、健チャン好キ好キー」
「やっぱまだ治ってねえな…」
「バスローブセンセ…」
「健、今日はお前のパラダイスを追求してみた。思う存分堪能しろ」
と言うユウたんの着流しの、いい感じで着崩された胸元からは引き締まった胸筋が。
そして忌田さんの和服から覗く美麗なうなじ。

更に
「今日はホンマ大サービスやで!!」
とビキニのドテ子は健に近付き
「うら、ぱふぱふやっ!!」
と健の顔を胸に押しつけた

ドテ子の胸に埋もれながら
「パフパフ…(もにゅもにゅ)サーイコウ…」
「次は俺だ」
「体操服…ブルマ哲…」
「健、お前がそんなじゃ襲いがいがねえよ…。ほら太股触らしてやるから」
「哲ノ太股スベスベ…」
「あ…や…感じる…」
「てっ哲、もう交替だ!!(泣)健、ほら俺がさばいた刺身…今から体に盛るから食え(泣)」
「ユウタン…男体盛リ…オイシソ…」

つー訳でみんなのフルサービスを受けまくっていた健の目が、だんだんギラついた光を帯びてきた
「萌エ…もえ…萌えー!!!!!!(がばちょ)」
「健!?戻ったのか?」
「萌えるし萌える!!俺、みんなとしっぽりー!!(しがみつきっ)」
「ひ…そんなトコ…だが、嬉しい…けど…」
「萌えるぅ!!俺の内側から溢れんばかりの萌えパワーがっ!!」
「なんか…ヤバないか?」
「ノフフフ…ごっちそうだらけだ〜♪」
健様、堰を切ったように、一同に襲いかかる。

「ゆっうた〜ん、忌田あ(むっちゅう)」
「んんん…!(泣)」
「ひっ、襟に手つっこむな!(泣)」
「復活しやがったな、ケダモノが!」
「やべえな…って、んんあっ…!」
「(近藤いじりながら)センセ、龍龍♪今夜はみんなまとめて相手してやっからな♪」
「やめろ健健!畜生相変わらずタチ悪い野郎だ」
「このままじゃ…」
「大丈夫や」
「え?」

ドテ子ウルトラスーパーミラクルデラックスキイイイイイイイッッックゥ!!!!!
という訳で泡を吹いて倒れた健さまを小龍は縛り上げ、一同、一安心したのだった

「…やっぱさっきのまんまで良かったんじゃねえのか?」
「いや、でもミッキーはさすがに(泣)」
「(もう気を取戻し)食う食う、俺みんな食う!!(じたばた)」
「やっぱあのままの方が良かったかな…」

後日
「ユウた〜ん胸筋触らして〜」
「嫌じゃ!」
「忌田うなじ撫でさせてー」
「馬鹿…!」
「センセえ、龍龍イれさせてくれよ〜」
「ほざけ!」
「構ってられん」
「ブー!!俺ミッキーに戻ってやろうか…けど、それにゃ萎えドリームをみなけりゃ…」
一瞬思い出して青くなる健だった。

だが後遺症は微妙に残り、しばらく春木や信や金男を見ると
「ヤア、ミンナ元気…あぶねえあぶねえ…」
と電子ボイスになったのであった


リレー小説、超最新作。電子音ボイスなミッキーに成り果てた健は何より怖い!!と高津氏からも好評でした。奴の野生のフェロモンは萎えると出てこなくなるようです