忌母さんが風邪で倒れたら
忌田さんが風邪で倒れた
で
「ユウたん腹減ったぁー」
「うるさいちょっと我慢しろ」
「腹減った腹減った(じたばた)」
「すまん碧さん、書類整理頼む」
「ええ…でも私じゃ決済は出来ないわ」
「…それは俺も無理だ。とりあえずおいとこう」
「ユウたんめしー!!」
「そこにご飯炊いてあるから食え!!」
「一緒に食べてくんなきゃやだー!!」
「木座がいるだろ」
「こんなヘタレじゃやだやだ。ユウたんと碧ちんと一緒に食うっ!」
天界は、地獄絵図と化していた
ばたあっ
「うら、手伝いに来たで。師匠が倒れたんやて?」
「ああ。お陰でこのザマだ。忌田…これだけ働いてたらそりゃ倒れるよな」
「つまんないつまんないー!!(じたばた)」
「うるさい、博打でも打ってこい」
「強ェ奴いないー」
「木座、頼むからお守りしといてくれ」
「おい関西娘…このクソ帝王うるさいからさ、何か作ってやってくんねえか?オレも手伝うから」
「あんたいたらかえって邪魔や。しゃーない、ダホ中年飯用意したるから静かにしとき!」
「ドテ子の手料理〜うっわーい♪でも出来るまで暇〜!忌田看病するー」
「止めろ!!こいつのせいで…くそ(泣)ほら、オレが女装でも何でもしてやっから静かにしやがれえ!!(泣泣)」
向こうでさりげに反応するユウ(笑)
「…萎え〜。けど…ユウたんの反応が面白いからやれー♪わーい」
「ちくしょう…(泣)」
天界二階で休養していた忌田。
何だか下が騒がしくて落ち着かないのと、仕事が心配なもんでフラフラしながら下へと降りてくるとそこには、懸命に書類整理をする碧、と同じく作業中だが何だか気もそぞろな風なユウ。
そして
「ダホ中年!うちがわざわざ作ったったんや!もっと味わってくわんかい!」
「(むぐむぐ)うめーぜドテ子♪」
「何でこんなブレザー姿を…ユウジ何見てんだよう!(泣)」
「に、似合うな…いや、何でも…」
皆に礼の一言でも言いたかった忌さんだったが、その光景にまた激しいめまいを感じ、部屋に戻らざるを得なかった。
飯の後。
「あーうまかった♪ドテ子お前も俺の!愛人になっか?」
「帝王!未成年口説くな!」
「ほざけ。まあ貢ぎもんやったらいつでも受けとったるけどな」
「…すごい職場だわ、ここ…」
「ああ。長いこといたら神経おかしくなりそうだな…ってうわ?!」
「ユウた〜ん!飯食ったし暇〜ヤろうぜ?♪」
「ばかやろっ!見たら分かるだろ、忙しいんだ!!」
「忌田みてえなこと言って〜そうだ、忌田だいじょぶか見に行こう!それがいい、そうしよう♪」
「待てー?!」
皆してつっこんだが勿論帝王が聞くはずもない。
階段を登り勢いよく部屋の扉を開ける健。
「いっみたっ♪だいじょぶかっ?!」
「健、またお前皆に迷惑を…」
「わあ、やつれた忌田も萌え萌え〜!♪俺が一緒に寝れば夏バテなんか吹きとぶぜ?!」
「遠慮するぜ…。邪魔したら駄目だから、とにかく大人しくしてここにいなさい」
「さびしーんだな忌田ってば、可愛いなあ♪いーぜ側にいてやんよ♪」
「(疲れた…)…健?何してる?」
「手の大きさ比べ。手小せえなあ忌田」
「馬鹿…俺は普通だ!(照)お前がでけえんだよ」
「そっかな?」
「い、いい加減…手、離しなさい」
「やだ♪ずっと握っててやんよ。安心して寝ろよな」
「…ったく…。ああ、お前は放っとくとロクなことしねえからな…じゃあしっかり握っててくれ…」
「ああ、離れねえよ忌田…」
「…健…」
「愛してんぜ…早くよくなれよな」
ちなみに部屋の外。
「いつになくラブラブや」
「本当…ちゃんとあんな顔も出来るのね、健さん」
「だからタチ悪いんだよ!(泣)」
「い、忌田さんのお手を!ウラヤマシー!(泣泣)」
健の看病?がよかったのか、忌田さんの風邪は翌日すっかり治っていた…が
ユウ「なんだか…すげえダルい…」
碧「…熱があるみたい…」
ドテ子「う…頭痛が…」
健「うっわーい♪弱ったみんな萌え♪食うー♪」
一番風邪がうつるべき生物を除いた三人に風邪がうつってしまい、忌田さんはその看病に追われて、やっぱり安静になんかしていられなかった…という
健がいる限り休みはないけど健がいないと駄目な彼は、薄幸の極道乙女