親孝行帝王
帝王は今更になって、この世には“母の日”なる行事がある事を知った。
そんなものはとうに過ぎ去っていたが、帝王はカレンダーなんぞに左右されるようなヤワな時間感覚はないのだ。
という訳で、とりあえず目に付いた近藤先生に話しかけてみた
「なあセンセ、俺忌田におやこーこーしたいんだけど」
「…(気でも狂ったかと言いたげな冷たい視線)」
「何したらいーかな?」
「お前の存在自体が親不孝だ。諦めろ」
「やだやだやだぁ!!俺おやこーこーするぅ!!(じたばた)」
さっさと立ち去ろうとする近藤先生だが、帝王は腕にしがみついて剥がれなかったので、あきらめた。
「なら下半身を統御して、昼日中から夜までフラフラせずに、いい年してこんなトコで駄々こねしないで、天界で大人しく書類でも見てろ」
「無理(あっさり)そんな無理じゃなくて俺に出来る事がいーのー(じたばた)」
「…消えろ」
「センセのいぢわる…」
帝王の強運は、そんな帝王に味方を引き寄せてくれた。
「ヒヒ、健ちゃん…」
「死神くぅん」
ポン中かつ、母子関係は最悪(原作設定)の死神だが、けっこうマトモな神経をしていたので、健に教え諭してくれた。
「親孝行ってのはな…何も特別な事をする事じゃねえんだよ。親ってのは、子供が健康で幸せである事が一番なんだからよ」
「…分かった(だっしゅ)」
帝王は、行動が早かった
天界。
今日も仕事に追われる忌田さんに抱きつく帝王
「いーみた♪俺けんこーだぜ♪」
「…は?ああ…健康だな…」
「しかも毎日バリバリしあわせだぜ?」
「そりゃ人の迷惑考える神経がなかったら幸せだろうなあ」
「だから忌田しあわせだろっ!?」
「…は?」
「もう!!俺ってばばりばりこーこー息子なんだからっ!」
帝王は完全に自己完結で満足したが、忌田さんには何がなんやらさっぱりだった…という
親孝行したいなら、神保さんにもすべきだと思う人、はーい。