定期性発情期
スゴくしゃぶりたいの。 え?違うよ。インランとかじゃナイってば。 でも、ほんっとたまんなくなるのよ、ね、分かるでしょ? 黒くてぇ、おっきい♪ ソレをぉ、喉の奥まで咥えこんでぇ、たまにえずいちゃうけどぉ、ソレがまたいいの。 なのにねえ、今までまだ「ダ」してくれたことがないの。 やり方は知ってるんだよ。 そして分かってる。 「ダ」したら、もう、脳ミソがぐちゃぐちゃになっちゃうってコ・ト♪ 弾は装填する。 もちろんフルで。 肝心なのは安全装置を外すこと。 着けたままだと、スリルが出ない。 舌先で、銃口を ちろっ と舐める。 金属の味。 悪くナイ。 舌で少しずつ銃身をなぞる。 冷たくて、なんだか辛い銃身が、少しずつ熱を帯びてくる。 「コーフンしてきた?」 ワケないけど、言ってみる。 根元をしっかり握り混んで、喉の奥まで入れてみる。 銃口が、脳ミソの真下に来る。 今「ダ」されたら、100%脳ミソがぐちゃぐちゃだ。 昇天決定だよ、間違いない。 「ああ、死んじゃいそう…」 僕は続ける。 「むしろ、死んじゃいたい…」 僕がここで、脳ミソ飛び散らせて死んだらどうなるか、フェラしながらモーソーしてみる。 フツーのアパートに銃声が、って通報があって発覚するか、はたまた出勤してこない上に連絡も取れない僕を堂島さんが探しに来るか。 まあともかく、驚くだろう。 検死が行われて、死亡原因は支給拳銃によって口内から脳を撃ち抜かれたことによるのだと分かる。 銃からは、僕以外からの指紋は検出されない。 自殺だ、間違いない。 さあ大変だ。 現職の刑事が支給拳銃で自殺ってのは立派なフショージだ。 エラい人たちが慌てて原因とか探るだろう。 遺書はナイんだ。 だからみんな、想像する。 エリートコースから転落した挫折感による発作的な自殺? 稲羽市連続殺人事件の捜査が思うように進展しないことによるノイローゼ自殺? 同僚との折り合いが悪い…はは、そうしたら、堂島さんのせいみたいだね。 あの人、大真面目だから、そう決まっちゃったら本気で罪悪感に一生苦しんだりとかしそう。 バカだねえ、ただたまたま今回の事件で僕と組まされちゃったダケのことなのにさ。 「苦しんじゃえ。」 僕は銃を咥え込んだまま、ケータイを手に取る。 送信先は堂島さん。 助けて下さい 保存する。 未送信メールだ。 発信されるより、それっぽい。 あの人のことだから、僕の自殺原因とか必死で探すだろうし、探して、そしてケータイの未送信メールにコレだよ。 一言メッセ「助けて下さい」 あは。 絶対、あの人悩むよ。 僕を自殺にまで追い詰めた、そして堂島さんに助けを求めるほど悩んでたことはなんだった、とかさ。 あの人の心に残るにはさ、死なないとダメなんだよ、もう分かってる。 死んだ奥さんのことだって、死ぬ前はあんなに思いつめるほど大事にしてなかったんだよ、きっと。 僕は引き金に指をかける。 ちょっと力入れてコレひいたら、僕は終わる。 誰も銃フェラの「口内発射」プレイの果てのコトだなんて思いもしない。 僕は引き金から指を離す。 やっぱり、もっと他の人間も苦しめたい。 誰か、僕の死で苦しむヤツはいないかな。 アドレス帳開いて検索したら、銀髪のクソガキの名前があった。 まったく、非常時の連絡用なら番号で十分なのに、なんで僕、メルアドまで交換してんだろ。 でも僕は直感する。 こいつを苦しめられると。 君が探し求めていたのは僕だよ。 打って、面白くないから消す。 死ね、クソガキ。 本音には違いないけど、やっぱり面白くないから消す。 君のしゃぶれなくて、銃しゃぶってました。 かなりヘンタイくさいメールだ。消しておこう。 ホントは君のコト、大すきだったのに …ちょっとイイ。大ウソすぎて、ちょっとイイ。「のに」って辺りが、余韻漂ってて詩的だと思う。 消すけど。 「ムリムリ、お前になんかメッセ残しやんねーっての。」 僕はケータイを放り投げ、もう一度引き金に手をかける。 そして、 ぐい と銃身を口の中に、 喉の奥に押し込む。 キミのが欲しいんだよ。 とびきりブッ放して欲しいな♪ そしたら僕、意識なんか永遠にトんじゃうカラ♪ げふげふげふ えずきすぎて噎せた。 僕は銃を口の中から吐き出し、シャツで涙と鼻水と涎を拭った。 「あーあ…」 僕はタオルで、唾液でベタベタになった銃を吹く。 手入れ怠ると、怒られちゃうんだ、コレ。 また、途中で終わっちゃったね。 とってもザンネンだナ♪ 「最期」まで「イキ」たかったのに。 大丈夫、すぐにまた「ムラムラする」カラ。 そしたら今度こそ、ネ? 終 足立に銃フェラさせたかったという、ただそれだけのお話。 |