ウェディングドレスに竹の目牌
ある日ユウが天界を訪れた。
「あら」
「まあ…フフ」
「げ、オカマども!お前らに用はねえんだ。忌田いるか?こないだ借りた料理の本返しに来たんだがよ…」
「あいにく外回りですわ。何なら私たちと気持いいことして待ちませんこと?」
「嫌だ!!ここ置いとくから、よろしく言っといてくれ」
「まあつまりませんわ」
「色目を使うな!!」
その時
「助けて〜(泣)」
「?」
タミミミの後ろから声がする。
「…何だ?」
「ああ、玩具ですわ
」
「どけろ…!わ!!」
「うわ〜ん…オカマどもの人でなし〜!」
そこにはゴスロリ(白)姿でアンティークドールめいた格好の木座が。
「暇だったからヘタレ女装させて遊んでたんですの」
「ヘタレにも人権あんだよ!!(泣)」
「…か…可愛い…」
それを聞きタミミミはニンマリと笑った。
「ば…馬鹿な事言ってねえで助けてくれ!!こんなカッコ、忌田さんに見つかったら…(泣)」
「いや…いいんじゃないのか…か、可愛いし」
「お前、目ェ大丈夫かよ」
「うふふ、ユウジさんならそう言ってくれると思いましたわ」
「リリカル好きですものね」
「女装なら哲の野郎にいくらでもさせりゃいいだろが!!」
「だって哲は最近リリカルじゃねえもん(泣)リリカル…リリカルぅ!!」
「うわあ抱きつくなぁ!!忌田さぁん!!」
「木座神…リリカルだよお前!頼む!!俺にもっとリリカルをくれー!!」
「訳わかんねえよ!(泣)もうやだあ…オレ…オレ…信じてたのに(泣)玄人で帝王の愛人だけど…すげえいい奴だってお前の事信じてたのにぃ…うええん…!(涙)」
「き、木座神…泣くなよ…てか泣くと更に可愛い…」
「ひいいいい!!」
二人して大泣きする横でテープレコーダーが回っていた。
で。そんなものを録音させる人非人はもちろんこいつ
「って事だぜ哲ぅ♪」
「…そんなユウさんがあんなヘタレに…オレというものがありながらひどいやっ!!」
「へっへっへ、お前は木座以下って事だな」
「う…お前に負けるのもすげえ屈辱だってのに…あんなヘタレに負けるなんて…許せねえ!!」
「あ走り去った…何しやがんのかな…てか俺も実は不愉快。ユウたんてば最近俺に冷たいと思ったらさ。木座なんかと…よーし♪」
そして哲が走り去ったのと同じ頃
天界では。
「ただい…ユウジ…?と木座かっ?!お前ら何を…!」
「あう…忌田さああん!ひいいいん!(泣)」
「あ…いや、これは…!」
ユウの腕を振りほどき忌田に泣き付く木座。
「タミミミ、どういうことだ?」
「フフ、ユウジさんが女装した木座ちゃんに欲情しただけですわ」
「な…ちょ…」
「…ユウジ…タミミミの言葉をハナから信用する訳じゃねえが…もし」
「…もし?(汗)」
「それが本当なら…うちの子を欲望の捌け口にしようとしたなら…ただじゃ済ましませんよっ!?」
「違うんだ。欲望のはけ口とかそんなんじゃなく…ただ」
「ただ?」
「俺は…リリカルが欲しかったんだよう!!」
泣きじゃくる木座と半泣きでリリカル言うユウに戸惑う忌田
「とりあえず…木座が落着くまで席外してくれ」
「…すまねえ」
「あーら木座ちゃんを泣かすなんて悪いオトコ♪」
「お前らが原因じゃないのか」
「うふふ、失礼な」
そして天井では
「悪い子は俺さ♪さてじゃまずユウたんを…」
外に出ようとユウが戸を開けると
「哲!?」
「ひどいよ、ユウさん…」
涙さえ浮かべ、怒りにうち震える雀聖。
「オレより…木座神を選ぶのかい?!」
「お、お前何で木座神の事を…違う、違うんだ哲!!(泣)リリカルを俺は!」
「言い訳は聞きたくないよ!健の次は…ヘタレかい?!…ユウさん、この淫乱男!!(泣)」
天井裏
「ありゃあ哲来ちまったか。けど、ブフー!淫乱男だって〜笑えるなあ。もお、た〜のしい〜!♪」
「い…淫乱!?」
あんまりな言われ様に愕然とするユウ
「何だよ、そんなにオレが嫌いなのかよ!!」
「違う、お前の事は好きだ。愛してる!!ただオレはリリカルが…」
「オレとリリカればいいじゃねえか!!」
「お前はもうリリカルじゃねえもん!!」
ユウは禁断の台詞を吐いた
「あーあユウたんいっちまった〜悪いんだー♪」
目を見開きしばし呆然とする哲だったが、ユウに背をむけると小さく呟いた。
「…もう、駄目なんだ?…オレたち…」
「え…て…」
そして哲はそのまま走り去った。
「そんな…哲…俺は!!」
追いかけようとするユウの肩を掴む手。
「け、健?!何だ…」
「無駄だぜ。ユウたんが肚くくらない限りな♪」
「…?!何だよ腹括るってのは」
ユウの問いに健が答える
「哲を諦めるか、リリカルを諦めるか、決断しろって事さ」
「何だよ!?…大体元々、オレと哲はリリカルに好き合ってたんだ。それをお前が…お前が俺をこんなにしたから…お前のせいだろうが全部!!」
怒りたくるユウに健は顔を寄せた
「ああそうだ」
「…てめ、ぬけぬけと」
そして顎をしゃくった
「だから何だ?」
「…何!?」
「俺のせいだよ全部。お前が俺なしでいられなくなったのも哲とリリカル出来なくなったのもな…だから何だ?俺は俺のやりてえことをしたまでだ。お前と寝て、哲に嫉妬させて、お前を俺から離れられない体にした」
「好き勝手…しやがって!」
「行動に出たまでさ。それに対してお前はずっと受け身だったんじゃねえか…」
「…う…」
「哲が欲しけりゃ手に入れに行きゃよかったんだ。あいつもお前になら体を許すつってたじゃねえか。こんな事になったのは…何もしなかったからじゃねえのか、ユウジ?」
「だって俺は…」
絶句するユウを健は抱き寄せた
「責めちゃいねえぜ?」
「健…」
「受身でいてえならこうしてりゃいいのさ。俺が抱いてよがらせて…哲の事なんて思い出せなくしててやるよ」
そのまま抱寄せ、唇を重ねようとした時だった
「…追い掛けなきゃ」
ユウは健を払いのけた
で
「ちぇ…久々にやれると思ったのに」
取り残された健に
「またお前か!!」
お母さんが状況を察して声をかけた
「ああ俺さ♪ユウたんが木座の女装かなりお気に入りみてーだったからな。最近哲にも食われかけてヘコんでたみたいだったからよ…もしかしてなびくな、ってな♪」
「その為に…木座をこんな目に遭わせて…ユウジと哲の仲を割いて…健!!」
「何だよ?ユウたんとらぶったの嫉妬してんの…ヘブシッ!!ヘブッ!」
往復ビンタ炸裂。
「謝りなさい」
「…誰…にだよう?」
「木座神にだ!!怖い目に遭わせたろ!」
「何でヘタレなんかに…ブー!へびし!」
「まだ打たれ足らないの?!早く!頭下げる!!」
「…忌田…怖いよう…」
ものすごくしぶしぶ木座に頭を下げた健
「ちぇ」
「ちぇ、じゃねえよ!!このスカタン帝王!!」
「あーあ、ユウたんは食えねえし、ヘタレに頭下げさせられっし…俺すげえ可哀想」
「忌田さん、こいつ全然懲りてませんよ」
「健!!」
「なんだよ謝ったじゃん」
「次はユウジだ」
「なんだよー、あれはユウたんが悪いんじゃんか」
「お前自分でけしかけたんだろう!確にはっきりしないユウジにも問題はある!だがあいつと哲はそれでも惚れ合ってる、その二人の気持ちを知っててもてあそび傷つけた!最低だぞ分かってるのか?」
「わーい、さいてー♪」
「喜ぶんじゃない!二人を探しに行くぞ!」
「ブ〜」
健は微妙に不満そうだったが
「まユウたんとやりてえしいっか」
と納得した
「健。お前、ユウジの事嫌いなのか?」
「大好き♪」
「じゃあなんでいつもいつも心を傷つける様な事ばかりするの!!」
「だっていびられるユウたん可愛いモン」
「そのうち嫌われるぞ」
「絶対平気♪だってユウたん俺にめろめろだもんね♪」
「そうかな」
「何だよ。またジェラってんのか?」
「邪推はよせ。俺は、やっぱりお前に何されてもお前の事を嫌いになるこた出来ないさ」
「ほらやっぱりー」
「けどな。確実に…傷付く上にいっそ人生捨てたくなる時もあるぜ。ユウジはお前と哲の間で揺れてる。お前に見切りをつけて哲に絞る…その可能性もあることを忘れるな。皆お前ほど強かねえんだよ…」
「ユウたん…」
「それでもいいなら好きにしろ。だが…」
「許さねえ」
「健…」
「許さねえ…俺に見切りをつけるなんて許さねえ…もしそんな事しようとしやがっても、どんな事しても俺のモンにしてやる」
「健、だったら最初から…」
嫌われる様な事すんなよ、そう言いたい忌田だった
「とにかくユウジには詫びを…」
「わあってるよ…ユウたんレーダーじゃこっちの方だな…お!」
「…?哲かあれは」
「何してんだあ?まじまじショーウィンドー眺めてんぞ」
気になった二人はそっと近寄る。
「!あの店は…!」
「ウェディングドレスだあっ」
二人は同時に叫んだ
「ユウたんに着せるのかな」
「状況からいったら哲が着るんだろうが」
なんか違う、忌田は思った
「そっかリリカルといや花嫁衣裳か…脱がせてえ」
「こら」
なんて言っているとユウが現れ哲に話し掛けた
「ユウたん必死で哲に謝ってんなあ」
「…哲の反応は今いちだが…ん?ドレス指差して何か言って…」
「…どわあ…」
「どうしたんだ?健」
「読唇術やったら…すんげえ事言ってやんの」
「?ユウジの顔が確に蒼いが…」
「…たら許してやるとよ」
「…な…に?!坊や哲…恐ろしい奴だ…」
哲はこう言っていた
「そんなにリリカルしてえなら、これ着てオレの嫁さんになってよ。んでもって幸せな家庭を築こう」
「え…ああリリカルだけど…その…俺が着るの?」
「だってユウさんが嫁さんだろ?オレ家事出来ないし」
ユウは、目の前の純白のドレスを眺めまくり
「でも…これ特注はあんまり高すぎるんじゃ…」
ばさ
哲は札びらを切った
「心配は無用さ」
「…結婚…」
「哲、つまりそれは…」
「オレはユウさんだけのもの、ユウさんはオレだけのものになるって事さ…。勿論ユウさんが望むなら、オレが受けでもいいから…(照)」
「哲…」
物陰
「…二人とも美味そう…けどおもちろくねえ。なんだよ、ユウたんてば…」
「ユウジ…どうするんだ?」
「哲…」
ユウは暫し考え込んだ
「嫌かい?ちゃんとリリカルだよ」
「確かにな。お前にリリカル出来ねえなんて言って悪かった…ホントに汚れてんのは俺だったのにな」
「どんなユウさんでもオレは愛してるよ…だからユウさんもオレの事…」
「なんだよ、俺の存在はどうなったんだよ」
「自業自得だ。そろそろユウジを解放してやれ」
「嫌!!あいつは俺んだ」
「俺がいるじゃねえか?不満か」
いつにない様子で忌田は声を荒げた。
「哲の気持ちが…俺にも少し分かる気がするぜ。俺が心底想ってる奴はお前一人だよ。それを重々分かっていながら、お前は」
「忌田…」
「お前を縛れないのは分かってる、お前の為になるならと思って口出しゃしなかった。けどな、お前が考えてる程、俺は寛容でもなんでもねえんだ。玄人じゃねえ…お前が好きなエロさもねえ…やっぱりそんな俺じゃ役不足なのか…俺にはこれ以上何も出来ねえ…出来るこたぁやり尽しちまった」
悲痛な眼差しで忌田は健を見上げた。
「お前に不満なんかねえよ」
「じゃあいいだろう?」
「嫌だ」
「いい加減にしろ」
「無理だ。だって俺は玄人だぜ?いい加減なんて物は存在しねえ。欲しいもんには手を延ばす、満足は死ぬまで出来ねえよ。だからお前は俺のモン、ユウジも俺のモンだ」
「…勝手にしろ…」
そう言い忌田は深くため息をついた。
「だが二人の気持を踏みにじるような真似だけはよせ」
「何だかんだ言って甘えじゃんかよ」
「馬鹿野郎…とにかく、もう少し待て。いずれにせよ、ユウジの哲への答えを聞いてからだ」
「哲。知っての通り…俺の体にゃ健の存在が染み付いてる」
「嫌という程知ってるよ」
「そして、俺は健から離れられるか分かんねえんだ」
「オレが忘れさせてやるよ」
「…俺も忘れてえ…あいつがいないと喉が焼け付くような渇きを覚えるんだ。お前への愛しさとは絶対違う…刻み付けられた渇きだよ。たまにのたうちそうになる…体の奥底を抉りとって捨てたいくらいなんだ」
「どういう事だい」
「それでもいいのか?」
「いいって言ってる…」
「本当にいいのか!?」
「オレだって…あいつとの勝負は忘れられない…。どうあっても。けど、オレは負けたままで終るつもりはない。博打でも、ユウさんの奴への想いも、きっと越えてみせる。ユウさんの中であいつより大きい存在にいつかきっとなってやるよ…」
「哲…」
「だから今はユウさんの中にあいつがいてもいい。オレの中でも健が大きい存在である以上、忘れろなんて言う資格はねえから」
「おほー♪何だよ二人とも俺にらっぶらぶじゃんよ!!」
「どこまで始末悪い存在感してやがる…」
ユウは、はかなげに微笑んだ
「すまん」
「いいよ」
哲も負けじと笑い返す
「哲…」
「ユウさん…」
「つまり二人とも俺にめろめろである以上、二人とも俺が食っていいって事だな♪」
「全く違う!!」
「俺帝王でよかった。心配は無用さ忌田、お前が一番だからよ♪」
ツッコミたいが何だか恥ずかしくて黙る忌田をよそに、
「ハニーたちぃ♪」
哲とユウの険しい視線を受けながら、帝王は満面の笑みで二人に歩み寄った。
「健…」
「ユウたん、悪かったな♪」
「健、てめえが全部仕組みやがったのか…」
「怖い顔すんなよ哲♪お前も俺のこと気になってたんだなー、可愛いったらねえな」
「おい健。今回木座には本当悪い事しちまったが…おめえだけは許…」
「なあ哲♪ユウたんにウェディングドレス着せるんだよな♪どーせだから、すっげえセクスィーなの行こうぜ!詫びがわりに俺も協力するからよ♪」
「詫びになってねー!!」
「いいだろう!」
「て、哲う?!(泣)」
それリリカルちゃうやんか!?
と、関西人でもないのに関西弁で突っ込む暇もあらばこそ。健と哲はユウを店内に無理矢理連れ込んだ
「いらっしゃいませ」
怪しい集団(野郎だらけ)にもひるまず笑顔で挨拶する店員に、健は言った
「なあ姉ちゃん。見て楽しい♪脱がせて楽しい♪ウェディングドレスくれよ。金に糸目はつけねえからさ」
「はい、あの…どなたがお召しに」
「このユウたんさ」
「は…」
「もう、やっぱリリカルじゃないここ!(泣)もういやあああ!!(泣)」
「ユウたん可愛い可愛い、ほら泣いてちゃダメだぞ」
「晴れの舞台なんだからさ。ユウさん(爽笑)」
「…えっと…?(なんなのこのアナザーワールド?!)」
「こら健!それに哲!弱い者いじめはやめなさい!!」
「しかも筋者くさい人来たー?!今日厄日なの私ー!?」
店員びびらしまくりの一同だった。
ウェディングドレスは女性用なんです
そんなまっとうな理屈が通じない奴らは、札束を積み上げると
「特注だからこんなモンかな」
と邪悪に笑った。
もう商売になりゃなんでもいいや
そう、店員は思ったのか
「こちらはいかがですか?花嫁?の可愛らしさがいっそう引き立つレースに、胸元が透けるちょっとセクシーなデザインですよ」
と目を合わせないで喋り始めた
「おお、なかなかいーセンスしてんじゃねえか姉ちゃん♪他にいーのねーか?どーせならユウたんの美脚が引き立つ奴がいいぜ」
「でしたらこちらが…」
「楽しみだね、ユウさん」
「もう…もう…うわああん!忌田こいつら、こいつら…(泣)」
「ユウジ…つくづく運がねえとゆうか何つーか…」
「もういっそ萎えられてえよお!!」
だが一匹狼の不幸はまだ続く
「折角ですからご試着なさっては(爽やかな笑顔)」
「ちょ…姉さんあんた正気か!?」
「やはり一生に何度もある事ではありませんし、とびきりの物を」
「目ェ合わせて言えよ!!」
「いい考えだな♪」
「折角だし全部着てよ」
「て、哲ぅ!!リリカル…リリカルはぁ!?」
「こちらのドレスは、胸元のカットがやや深くなっております。まあ、厚い胸板が映えてとてもお似合いですよ。そしてこちらもご覧下さい。スカートの部分がシースルーとなってまして…ヒール靴と合わせるのが当方のお勧めです」
「ああもうくっちまいてえなあ♪」
「ユウさん、綺麗だ…」
蒼白になって、ただ自動的に着替えさせられるユウ。
「近代化…リリカル化の途は果てしないな…(泣)」
なんだかもう何も言いたくない忌田と、何も言えないユウ。
そして自棄になって色々勧めまくる店員…地獄のような時間が過ぎた後
「じゃこれ貰うわ。持って帰っていいんだよな」
「ええもちろん」
「畜生、なんで俺サイズのウェディングドレスが現物であるんだよ!!」
「当店は豊富な品揃えが自慢ですので」
「…豊富すぎだろ」
忌田のツッコミもなんのその。店員は綺麗にラッピングすると
「また起こし下さいませー」
と笑顔で送り出してくれた
そして、例のごとく天界でおひろめ。
「ユウジさん素敵ですわん」
「これぞ前衛芸術♪」
「でけえ…(ゴクリ)」
「なあ木座…あいつもいじられまくってる…許してやっちゃくれないか?」
「はい…てかオレより悲惨だ…(泣)」
もう泣き叫びたいユウ
「木座…ホントごめんな。もうあんな事しないから…」
「いやもういいからさ…その…頑張れよ」
「頑張る!!ユウたん俺、初夜頑張りまくる♪そりゃもうがっつんがっつん…」
「なんでお前が頑張るんだよ。ユウさんはオレの花嫁だよ」
「てか今更初夜でもなんでもねえよ(泣)」
「なんだよ…ユウたん。俺の事のたうつくらい好きなんだろ?」
「てめ…聞いてやが…」
「ンッフーフー♪」
「ユウさんはオレと幸せな家庭を築くんだ!てめえには邪魔させねえ!!」
「俺不倫相手だし♪何なら哲お前も俺とW不倫するか?」
「お前が受けなら」
「…もうしらん…」
「こいつらリリカル生まれる前に忘れてきたんですよ…」
「なんで俺がお前と不倫すんだよ」
「俺はユウたんの事大好きだけどやっぱ忌田が一番なんだ」
「…ああ」
「だからユウたんの一番は哲でいいから俺二番♪」
「“だから”の使い方がおかしすぎだ!!」
「ユウさん…あんなの不倫相手どころか電気こけし扱いで十分だよ」
「それでもいーぜ♪」
「うるせえっ!!」
そんなこんなで、天界上の帝王私室へと二匹の獣に連れていかれる花嫁。
「哲、旦那としてちゃんと花嫁満足させれんのか♪?」
「当然だ!」
「本当か〜?ユウたんは俺のテクにメロメロだぜ〜?ほら」
「ちょ…健…く…や、あ…(恥)」
「オレのユウさんに勝手に触るな!」
もう初夜?のムードもへったくれもなく夜は更けてゆくのだった。
翌日、憔悴しきった顔の花嫁が降りてきて木座に言った
「なあ、俺とリリカルで幸せな家庭を築かねえか?家事もするし、金も稼ぐから」
「いや…あの…」
「ハハ…冗談だよ…」
だが花嫁の目は虚ろだが、最後までマジだったという
いつもの三角関係話。このリレー小説の世界の恋愛?関係はどんどんドロドロになってきてます…てか、健がいるからドロドロになるんですが